『ヘルスツーリズム』という言葉を知っていますか?
心が疲れたときに旅行に行くといいとすすめられることがありますが、旅は心だけではなく体の健康にとっても大変いいものです。
ところが日本人は、昔から旅が苦手な人がたくさんいると言われていますね(なにやら旅に出ると余計に疲れるということらしいですが…)。
これは非常にもったいないことです。今回は、旅と健康のつながりについて考えてみたいと思います。
ヘルシーな旅行がトレンド
2018年の旅は「ヘルスツーリズム」が一つトレンドのようです。
日本各地で、健康をテーマにした旅行の形が広がりを見せつつあります。
ヘルスツーリズムとは健康になることが目的の旅行のことで、地域固有の名産品、フィールド、イベントなどの「観光」と「健康」を結びつけたプログラムが全国各地に登場しています。
例えば、里山を活用して森林浴とトレッキング、ヨガ、マインドフルネスに挑戦する企画は人気がありますし、そばや山菜などのヘルシーな郷土料理が振舞われることもあります。
これらが一つのパッケージ商品になっているのがヘルスツーリズムということですが、健康に寄与すると考えられるのはこれだけではありません。
旅行に行くと、やりたいことがたくさんありますから、普通の休日だと二度寝が確実だという人でも比較的早く起きられます。
また、朝ごはんについてもいつもよりしっかり食べられるという人が多いようです。
地元のものだと箸がすすみますね。
単に旅行を楽しんでいるだけで生活態度が改善されているということも、ヘルスツーリズムが健康をもたらしてくれる大切なカラクリになっています。
旅はとってもヘルシー
もっとも、ヘルスツーリズムといパッケージに頼らなくても、もともと旅は非常に心と体の健康に大変いいものだと考えられます。
旅をすると普段は見られないものを見て触れて、五感で感じることができます。
このように新しい刺激が加わるということはとてもいいストレス解消になりますし、いつもよりも五感を研ぎ澄ませる体験は心を落ち着けてくれます。
好奇心も旅の大切な要素で、全ての原動力です。
気持ちが前向きになっていくというのは体にもいい影響を与えます。
まず、いろいろと興味がわくことで移動の頻度が劇的に増えますから、旅先では運動しようと思わなくてもよく体を動かすことができます。
以上、旅の効用を非常に簡単に挙げてみましたが、どうやら免疫力の向上や生活習慣病の改善と旅を関連させた研究もあるようです。
もちろん、旅の内容や個人の体力度によっても効果は変わってくるものでしょうが、健康維持に旅を活用することは大いに意義があると考えられます。
自由な旅は自分の中の“気付き力”を成長させてくれる
ところで、冒頭では日本人が旅行下手だといわれる理由に、旅行は疲れるから行かないという人が多いということを紹介しました。
旅行が疲れると考えている人は、商品としてのプログラムをこなすことに縛られてストレスを感じている傾向があるのかもしれません。
定番の観光名所に強く惹かれる人もいれば、それほど興味がない人もいるものです。
それよりも、体を動かしたり、普段はできない体験をしてみるほうがずっと楽しいという人もいます。
それならば、自分の楽しいと思うことをしましょう。
旅先では~~しなければならない、という決まりはないのですから。
日本人が考える旅行がお決まりの観光名所をめぐるスタンプラリーのようになってしまっているのは非常に残念なことだと思います。
もっと、自由に、気楽に気の赴くまま旅をすることで、旅はもっと楽しく、そして健康的なものになっていくのではないかと思います。
旅をしたから人生が変わったという人は多いですが、なにも大層なことだと考える必要はありません。
これまでの生き方に違和感を抱くようになる、新しく好きな食べ物が見つかる、苦手だと思っていたことを楽しいと感じるようになる。
こうした小さな変化の積み重ねが心を変え、体を変えることにつながっていくのです。
こうして旅に親しんでみると、普段生活も旅の一部だし、旅も普段の生活の一部だということに気が付くでしょう。
電車で隣町に行くのだって、気持ちの持ちようによっては立派な旅だと感じられるはずです。
時間やお金がなくても楽しむ方法はいくらでもあります。
たまにはといわず、しょっちゅうぶらぶらと旅に出かけてみませんか。