頑固な肩こり、もしかしてビタミン不足かも!

疲れやすい、肩がこりやすい、そんな悩みを持っているあなた!

もしかしたらビタミン不足かもしれません。

肩こりの大きな原因は肩に負担がかかってしまうことですが、体を酷使しなくてもビタミンが不足することで疲れやすくなったり、肩こりになったりしてしまうこともあるためです。

ビタミン不足に陥ると、温めたりマッサージしたりといくら肩のケアをしてもコリや痛みが治りにくくなってしまうこともあるようです。

肩こり緩和のために取りたいビタミンについて解説します。

現代人は栄養が偏りがち―不足しがちなビタミンは旬の野菜で補おう

戦後、生活スタイルの欧米化が急速に進んだ日本では、食生活大きく変わりました。

動物性たんぱく質を食べる機会が増えた一方、生野菜や果物を食べる機会が減りました。

農林水産省の資料によると、40代以下の若い世代で果物の摂取量が大きく低下しています。(参照:農林水産省「果樹をめぐる情勢

また主食のコメも、玄米や雑穀ではなく精米した白米を食べるようになり、インスタント食品・加工食品の割合も増加しています。

このように食を取り巻く環境が大きく変化したことで、カロリーは足りているのにビタミンや食物繊維が不足する『現代型栄養失調』が社会問題化しています。

ビタミンが不足すると、さまざまな症状が引き起こされることが知られています。

ビタミンB1不足で引き起こされ、明治時代に猛威を振るった「脚気」を例に見てみましょう。

脚気は、ビタミンB1が不足して起こる疾患で、全身の倦怠感、食欲不振、足のむくみやしびれなどの症状があらわれます。古くは江戸から昭和初期まで多くの死者を出しましたが、ビタミンという栄養素について研究が進んだ現在では脚気にかかる人はほとんどみられなくなっています。しかし、インスタント食品中心の生活をしている現代人に再び脚気予備軍が増えているといわれています。

タケダ健康サイトより引用

明治時代には、それまで玄米や雑穀を混ぜて食べていた米食が白米に切り替わったため、結果としてビタミンB1不足に陥ってしまう人が続出しました。

庶民より予算があり白米食が多かった軍隊で患者が多かったというエピソードは有名です。(参照:日本心臓財団『銃弾よりも多くの命を奪った脚気心』

このように、ビタミン不足はときとして死に至るような重篤な疾患さえも引き起こしてしまうのです。

脚気ほどの重症に陥らなくても、ビタミン不足に陥ると筋肉の働きが悪くなったり血液の流れが悪くなったりと、体にさまざまな悪影響が現れます。

こういった要因が重なると、慢性的な疲れや肩こりを引き起こしやすくなります。

現在、学校教育ではバランスのいい食事のとり方を教える、「食育」の重要性が指摘されています。

大人の私たちも、バランスのよい食事を心がけ、必要なビタミンを摂取しましょう!

旬の野菜は他の季節に収穫されたものに比べて、おいしいだけではなく、ビタミンなどの栄養価も高いことが知られています。

たとえば、冬が旬のほうれん草に含まれるビタミンCを比べてみると、9月と12月でおよそ5倍もの差があるという研究結果もあるのです。

まずは、旬の野菜をたくさん食べることからはじめましょう。

肩こり緩和に必要なビタミンとは?

ビタミンといってもいろいろなものがあります。

では、疲れや肩こりを緩和するためにはどのようなビタミンを摂ればいいのでしょうか。

ここで厚生労働省の一般医薬品と製品群の表を見てみましょう。

この表では、「効用・効能」に肩こりが載っている一般医薬品として、

ビタミンB1・B6・B12主薬製剤

ビタミンE・C主薬製剤

が挙げられています。

それぞれどのようなビタミンなのでしょうか。(参照:グリコ「栄養成分百科」

〇ビタミンB1

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるときにカギになる働きをする他、脳神経系の働きを正常に保つ働きをしています。

不足すると糖質がエネルギーに変換されないため、疲れやすくなったり、体のだるさを感じるようになります。

また、先ほど紹介した脚気はビタミンB1不足によって引き起こされます。

忙しい人やスポーツをする人など、エネルギーをたくさん消費する人ほどしっかり摂取するように心がけたいビタミンです。

ビタミンB1は豚肉、大豆、玄米などに多く含まれています。

豚ニラ炒めなどの豚肉料理・豆乳などの大豆製品を積極的に食べるのがオススメです。

〇ビタミンB6

ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを取り出すときに必要不可欠なビタミンです。

また、筋肉や血液をつくることも手助けしていて、筋肉に十分なエネルギーを供給し、筋肉の代謝を促すうえで非常に重要なビタミンだといえます。

不足すると貧血になったり、筋肉がつりやすくなるといった症状が出ます。

筋肉量が多い人ほどたくさんのビタミンB6が必要になります。

ビタミンB6はバナナ、カツオやマグロ、肉に多く含まれています。

アスリートが休憩時間にバナナを食べるのは、エネルギー補給もできビタミンB6も摂取できるという意味で、非常に合理的な栄養補給です。

〇ビタミンB12

ビタミンB12は血液中で酸素を送るヘモグロビンの生成を手助けしています。

不足すると貧血になり、疲労が蓄積しやすくなってしまいます。

ビタミンB12は野菜中心の食生活をしている人が不足しがちです。

ビタミンB12はシジミやカキなどの魚介類、レバーなどをたくさん食べましょう。

〇ビタミンE

肩こりの原因の中で大きな位置を占めるのが血液の流れの悪化です。

ビタミンEは抗酸化力が強く、体内を酸化(老化)から守る働きをしています。

動脈硬化や血行の悪化を防ぎ、血液の流れを良好に保つのがビタミンEです。

ビタミンEが多く含まれている食品は、ナッツ類・ウナギ・カボチャなどです。

〇ビタミンC

ビタミンCは抗酸化力が強く、ビタミンEと同様に血液の流れを良好に保っています。

また、ビタミンCは肌や筋肉・結果の材料になるコラーゲンの生成を手伝います。

コラーゲンはさまざまな組織の材料なので、健康な筋肉、弾力のある血管を保つうえで必要不可欠なものです。

さらに、ビタミンCはストレスへの抵抗力を強めるため、ストレスが多く肩こりを感じるという人ほど積極的に摂取するといいでしょう。

ビタミンCというとレモンやみかんなど柑橘類にとくに多く含まれていますが、野菜全般で見ても多く含まれています。

中でも、ピーマンやゴーヤー、アセロラなどに多く含まれています。

これらのビタミンは食事から摂取する分には過剰摂取の心配はありません。

いろいろな食物をおいしくいただきましょう。

肩こりに悩む人へのオススメの食材とは?

肩こり持ちの方にオススメしたい食材が「タコ」です。

タコにはビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンEの他、カルシウムやマグネシウムなど筋肉の活動に欠かせないミネラルも豊富に含まれています。

またタウリンの含有量も多く、まさに食べる栄養ドリンクです。

脂質はほとんどないので普段のメニューにもう一品と追加しやすいですよ。

タコの他にもイカ・貝類にはビタミンB群が豊富に含まれていることが知られています。

また、薬局に行くと湿布薬の近くに、サプリメントが市販されていることがあります。

その多くにはビタミンB群とビタミンEが配合されています。

肩こりの痛みがひどくて早く補給したいときは、サプリメントを利用するといいでしょう。

バランスのいい食事によるビタミン摂取は肩こり改善の第一歩です。

次のステップとして体を動かして肩こりを追い出しましょう。