有名なキャンプの歌を聴いたことがありますか。
子どもたちが焚き火を囲んで朗らかに歌う様子が目に浮かびますが、大人になるとそうはいきません。
キャンプ場にちょうどいい高さの椅子なんてまず期待してはいけないことで、地面に直接、もしくは何かを敷いて座ることになります。
そうするとどうにも腰の収まりが良くありません。
寝るときはもっと大変です。
マットが薄かったり、地面が平らじゃなかったりしたら腰痛持ちにはとても辛いものがあります。
それでもキャンプがしたいというアウトドア志向のあなたのために、今回はキャンプ場で快適に過ごすためのちょっとしたコツを考えていくことにしましょう。
テントの中は寝る場所だと考える

自分たちの力でテントを張るのはとても楽しいことですね。
何の変哲もない地面に居住可能なスペースを生み出すことにはフロンティア精神に基づいた達成感をおぼえます。
喜びのあまりテントを張ったらすかさず中に入って、そのままダラダラとテントの中で過ごすという人もいるかもしれません。
ところが、これはあまりオススメのやり方とは言えません。
大抵のテントは居住の快適さよりも軽量化を第一に作られているので、中で立つことができるのはよほど大きな類のものに限られています。
1人用とか、2人用のテントなら中腰になるのもやっとです。
テントの中で取れる姿勢といえば、あぐらか正座か、四つんばいか。
これで午後いっぱいを過ごしていたのでは腰が痛くなっても仕方がありません。
このように、実はテントの中は居住に向いていないので、日があるうちは外で過ごしたほうがずっと楽です。
車で乗り付けられるキャンプ場ならゆったり座れる椅子を持ち込むと快適です。
登山だったらそんな余裕はありませんから、山小屋の休憩所で過ごすか、ちょうどいい段差を上手く使うのがオススメです。
とにかく、地面や極端に低い椅子にずっと座っているのは腰を痛める原因になるので、どうしても落ち着いて過ごせる場所がないときは同じ姿勢を30分以上続けないように気をつけましょう。
テントを張る場所づくりが肝心
さて、日が落ちてテントの中で横たわってみるとあなたはひとつの重大な事実に気がつくことになります。
間にテントマットとサーマレストを敷いていたとしても、地面の感触を実にリアルに感じることができるのです。
実はテントの一夜を快適に過ごせるかどうかはテントを張る前に決まっているといっても過言ではありません。
なるべく平らでデコボコがない場所に張ることはキャンプ生活の基礎中の基礎です。
小さな石もできるだけ取り除きましょう。
雪の上にテントを張るのならスコップで出来る限り地ならし(雪ならし)しましょう。
ここで頑張れば頑張るほど夜が快適になります。
マットは二重底にすると快適です。
一番底には薄手のテントマットを敷きましょう。
これがあると地面の硬さや冷気がだいぶ和らぎます。
その上からシュラフを敷く場所に、厚手のマットを敷きましょう。
マットには空気を入れる必要がないクローズドセル、バルブを開けると自動で空気が入るセルフインフレータブルパッド、空気を入れて膨らませるエアーマットがありますが、いずれにしても分厚い方が寝心地は良い傾向があります。
ちなみにシュラフの方はどんなに分厚いものでも背中側はつぶれてしまうのであまりクッション性と保温性は期待できません。
寝心地はシュラフよりもマットの方に左右されます。
膝を軽く曲げて寝ましょう
最後に腰痛持ちにオススメのシュラフでの寝方を紹介します。
膝の下になにかクッションになるものを敷いて、膝が少し曲がるようにすると腰が楽になりますよ。
膝を折って横向きに眠るのも腰の負担が少ないのでオススメです。
こっちの寝方は寒さもましになるので一石二鳥ですね。
朝の冷え込みは腰痛持ちにとって危険なコンディションです。
身体が冷えるとギックリ腰が起こりやすいですからね。
テントの撤収を始める前に少し身体を動かして温めるか、いっそのこと日が高くのぼってあたりが暖かくなってから撤収作業を始めるといいでしょう。