秋を快適に暮らそう。夏バテに続く「秋バテ」の症状と対策について

「秋バテ」という言葉を皆さんは、耳にしたことがあるでしょうか?

「夏バテは聞いたことあるけど・・・秋バテ?」と、思う方もいるかもしれません。今回、最近話題となっている秋バテとは何なのか、原因と対策をお教えします。

自分には関係ないと思っていても衝撃の数値を見たら考えが変わるかもしれません……。

秋バテは実際にあるのか?

食欲不振や疲労感が抜けないといった症状は、夏バテによく見られますが、そうした症状が秋まで慢性的に続いている状態のことを「秋バテ」といいます。

2017年の(株)セブン&アイ・ホールディングスの調査では「夏バテの実感がある」と答えた人の割合は76%。「秋バテになったと実感がある」と答えた人は29%、秋バテは実感がない人がほとんどだと言えます。

しかし「夏から秋の変わり目で体調を崩した経験がある」と答えた人は71%。秋バテの症例をいずれか1つ回答した人は、90%を超えていたのです。

つまり「秋バテ」になっていても、言葉としての浸透が低いことから実感のある人が少ないだけで、秋バテは存在すると言えます。

セブン&アイ・ホールディングスの調査についてはこちらから引用

秋バテの原因は諸説ありますが、2つに分類して解説します。

  • ①室内の冷房と室外との温度差により引き起こす「冷房疲れ」
  • ②冷たい食べ物や飲み物を取りすぎたことによる「内蔵疲れ」

まず①の冷房疲れについて説明します。

冷房疲れとは

室内やオフィス、コンビニ、スーパーなど、ありとあらゆる場所で、夏は冷房が使われています。

冷房は、私たちの生活と密接に関わっているために、無意識のうちに冷房疲れを引き起こしている場合がほとんどです。

では、具体的にどのようにして冷房疲れが起こるのかに迫りましょう。

冷房疲れの原因として最も挙げられるのは「自律神経のバランスの乱れ」です。

ヒトの体は夏になると、体内での発熱を抑え、汗をかいて体温を外に発散させようとします。

しかし、冷房によって冷えた場所にいると、熱を体外に発散させようとする血管の拡張作用とは逆に、熱を逃さないよう血管が収縮します。

そのため、夏は、自律神経のバランスが乱れ、「体の冷え」や「冷房疲れ」を引き起こしがちなのです。また、その状態が続いたままにしておくと、秋口になって体調の悪さが顕著に表れてきます。

冷房疲れへの対策

冷房疲れは、身につけるものやエアコンの使い方に注意するだけで対策できます。

腹巻の大切さ

冷えによって、胃や腸の不調を訴える人も多くなります。

そこで活躍するのが「腹巻き」です。腹部を温めることで、全身の体温を上昇させることができ、また、保温効果もあります。

「腹巻きなんて恥ずかしい」と、思われる方もいるかもしれません。ですが、最近は薄手のものも多く、服を着ても目立ちにくいです。

注意すべきエアコンの使い方

基本的に「寒い」と思わない冷房温度を心がけましょう。

基本的な設定温度としては25度~28度までが快適に過ごせる温度と言われています。

上記の温度で暑いと感じる場合でも、扇風機を用いて冷気を循環させたり、エアコンの吹出し口を水平に保ったりして、温度を下げ過ぎない対策をしましょう。

大事な大事な靴下

夏場は室内でも室外でも、裸足でいる機会が多くなります。

足首は、皮膚が薄いにもかかわらず太い血管が通り、温度の影響を非常に受けやすいのが特徴です。

冷気は足元に溜まりやすい性質があることから、裸足などで、足首を露出させている場合、足から全身に冷えが伝わっていきます。

それを防止するために、靴下を着用することが非常に大事なのです。

内臓疲れとは

次に内臓疲れです。

内臓疲れは、食事と大きく関わってくる話になります。そのため意識的に習慣を変えれば、きっと体の健康も良好にキープできることでしょう。

夏は暑さや食欲不振を理由に、冷たい食べ物や飲み物を摂取する機会がたくさんあります。

すると、秋にかけて消化機能が低下しがちになり、その状態で飲食をした場合には、胃酸の過剰な分泌によって胸焼けや胃もたれを引き起こす可能性があります。

内臓疲れへの対策

内臓疲れによる秋バテを予防するためには、身体を冷やす食事から身体を温める食事に切り替える必要があります。

例えば、冷やしそうめんを食べていたのを、温かいにゅうめんに変えるなどです。他には、疲労回復に一役買ってくれる栄養素を摂取しましょう。

鍵となる栄養素にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンDが挙げられます。

【ビタミンB1】:肉類、特に豚肉に豊富に含まれています。ビタミンB1は水溶性で、水に溶けやすく、加熱にも弱いとされており、調理には注意が必要です。豚汁や生姜焼きとして食べるのがオススメです。

【ビタミンB2】:肉類、乳類のなかで、特にレバーと牛乳に豊富に含まれております。こちらも水溶性ですが、加熱に強いため、レバーはレバニラや甘辛煮に。牛乳は身体を冷やさぬよう、ホットミルクにするのがオススメです。

【ビタミンD】:特に魚類の含有量が高く、毎日でも摂取したい栄養素です。3食のうち1食に魚料理を取り入れると、栄養バランスに優れた食事を摂取できます。

ここで紹介した栄養素は、あくまで疲労回復がメイン。つまり、最も大切なことは、栄養バランスのとれた食事を3食きちんと食べるということです。

まとめ

いかがでしたか?身体がバテたり、体調を崩したりするのは夏だけだと思っていませんでしたか?

実は、夏に続く秋にも、夏と同じ現象が自身の身体に起きること大きな問題になっています。

今回、ご紹介した秋バテの対策は、どれもすぐに生活のなかに取り入れることができるものばかり。

確かに今年の夏は、体力的にも精神的にも参ってしまうような記録的な猛暑が続きました。

しかし、季節は次に移り変わります。秋には秋だからこそ、楽しめることがたくさんあります。行楽の秋を逃さないよう、是非、今から対策を実践していきましょう。