「簡単マッサージ」でハリのある足へ!足のむくみの解消法

足のむくみは長時間立ったり座ったりを続けたり、体が冷えたりして、体の中の老廃物を運ぶリンパや血液の流れが悪くなっていることが原因の一つだと考えられています。

中高生から高齢者まで、幅広い年代の人が抱える悩みですが、意外と簡単な方法で対策をとることができます。

整形外科の医高倉義典さんが著した『足のお悩み完全解決バイブル』のマッサージ法を参考にしながら、足のむくみを解消する方法を紹介します。

パンパンにはった足はその日のうちに解消して、快適な夏を過ごしましょう!

1日の終わりに足をほぐそう

立ちっぱなしや座りっぱなし、運動不足などで引き起こされることが多い「足のむくみ」。

滞ってしまったリンパや血液の流れをほぐすマッサージを知っておくと、セルフケアに役立ちます。

足先から体の中心に向かって、余分な水分を押し戻すような感覚でマッサージするのがポイントです。

体の組織はデリケートなので、絞り上げるのではなく、スポンジを押し込むような力加減で皮膚の上からなぞるように指圧しましょう。

リンパの流れの改善を促し、むくみの他、足の疲れの解消にもつながります。

1日1回足のマッサージ法

1.内くるぶしの後方から始めて、足の裏へ進めていく。

足の裏ではまず内側(親指の骨に沿って)からマッサージします。

指の根元まで来たら、これまでとは反対方向にマッサージしながら内くるぶしまで戻りましょう。

ここまでを往復5回繰り返します。

2.同じように内くるぶしの後方から始め、今度は足裏の外側(小指、薬指の骨に沿って)をマッサージする。

指の根元まで来たら、これまでとは反対方向にマッサージしながら内くるぶしまで戻ります。

ここまでも往復5回繰り返しましょう。

3.ふくらはぎをもむ。

足首から膝へ向かって、水を上に押し流すような感じでもみましょう。

硬いところは特に入念に。

3分~5分程度もみ続けましょう。

4.太ももをもむ。

膝から太ももの付け根に向かって、水を上に押し流すような感じでもみましょう。

最後の仕上げとして、リンパ腺が集中している太ももの付け根を集中して指圧します。

ポイント

足先から体の中心に向かってたまっている水分を押し戻す感覚でマッサージしましょう。

足の裏では内側と外側の両方をマッサージすることで血行やリンパの流れが良くなります。

また、1日1度は「足指じゃんけん」をしてみましょう。

足指じゃんけんとは、

「グー」…足の指を全部、内側にギュッと握るように折り曲げる

「チョキ」…親指だけ伸ばし、残りの指を内側に握るように折り曲げる

「パー」…すべての指を外側に思いっきり開く

のそれぞれを繰り返す体操のこと。足の指をよく動かすことで、足先で滞りがちな循環を活性化することができます。

足指じゃんけんはマッサージの最後の仕上げとしてやる他、むくみが気になる前から行うことで予防の効果も発揮します。

立ち仕事や座り仕事が続くとき、休憩時間などに靴を脱ぎ、足指を広げて「グー、チョキ、パー」と何回か繰り返すといいでしょう。

お酒や塩分を控えて

お酒を飲みすぎた翌朝、まぶたや足がパンパンにむくんでしまったという経験を持つ人もいるかもしれません。

お酒や塩辛い食べ物はむくみの大敵です。

アルコールや塩分をとりすぎると、それらの体内濃度を下げようと水分をため込みやすくなってしまいます。

むくみの予防としてアルコールや塩分を控えましょう。

効果的なのは塩分の排出を促すカリウムを含んだ食品を食べること。

カリウムは海藻やキノコ、野菜に豊富に含まれています。

こうした野菜類を豊富に食べることで体内の水分バランスを整えるといいでしょう。(カリウムは水溶性のため、調理する際にはゆでるよりも炒めるようにしましょう。)

さらに、長時間の立ち仕事や座り仕事などで同じ姿勢をとり続けることを避けることがむくみを予防する基本です。

休憩時間にはできるだけ足を腰と同じ高さにして休むようにしましょう。

椅子に腰かけているときには足を向かいの椅子に上げる、正座を避け足を投げ出すといった座り方が効果的です。

また、夜間の就寝時には座布団などで足を心臓よりも一段高くするといいでしょう。

足に適度な圧力をかける弾性ストッキングがむくみ予防・解消に効果的です。

弾性ストッキングはふくらはぎに圧力をかけ、リンパや血液の流れを助けてくれます。

市販されている他、医療機関で医療用のものを購入することができます。

痛むほど締め付けがきついものをさけ、自分に合っていると感じるものを朝からつけるようするといいでしょう。

まれなケースですが、腎臓や心臓の疾患によって足がむくんでいることがあります。

一般的な一過性のむくみは、夜間しっかり休息することでほとんどの場合改善します。

両足がむくみ、指で押してできたくぼみがすぐに戻らないような場合、休息にむくみが悪化するという場合には、内臓疾患などの重大な病気が原因のこともあります。

なるべく早く医師の診断を受けるようにしましょう。

通常のむくみでも放っておくと、静脈の逆流防止弁が壊れて静脈瘤ができたり、足が赤くはれる蜂窩織炎を発症したりすることもあります。

たかが足のむくみと思わず、自分でできる範囲でケアを進めていくように心がけましょう。

(マッサージと解消法の参考)

高倉義典『名医が教える足のお悩み完全解決バイブル』誠文堂新光社