妊娠や出産を経たお母さんの体は、想像以上にダメージを受けています。
特に多くのお母さんが悩む体の不調が、出産後の腰痛。
体力が完全に戻らない中、育児が加わることでさまざまなトラブルが起こりがちです。
どうすればいいのかを知っておくことが対策への第一歩。
無理をせずに、体を再構築していきましょう。
産後はみんな腰が痛い!
『パテックス機能性サポーター』など多くの腰痛対策グッズを展開する第一三共ヘルスケアが実施した『“子育てママ”の全国実態調査』。
0歳から2歳までの子供を持つ母親を対象に行われたこの調査では、妊娠中よりも産後の方が体調面で大変だと答えたママが、なんと58%と半数以上!
そして産後に現れる不調の第1位が「腰痛」という結果になり、0歳児の子育て中のママの4人に3人が腰の痛みに悩まされていることが明らかになりました。
(参照:『ママの体調は妊娠中よりも産後がツライ!産後あらわれる不調の第1位は「腰痛」』第一三共ヘルスケア(配信元:PR TIMES))
妊娠によって腹筋や背筋などの筋力が低下したり、お腹が大きくなることで腰が反ったり、出産で骨盤が不安定になったり…。
出産後は育児も加わることで、腰痛などのトラブルがとっても出やすいんです。
腰が痛いと育児がおっくうになることや、気持ちがネガティブになることも。
体の負担を減らす工夫や、腰痛を予防するエクササイズを取り入れて、早く元の体に戻しましょう。
腰痛には心理的な要素があります。誰かに相談することで症状が軽くなることも。
1年かけてゆっくり体を戻そう
産後の腰痛対策の2本柱は骨盤の安定と筋力トレーニング!
一朝一夕ではどうにもならないので、半年後、1年後を見据えてゆったり対策を続けていきましょう。
〇産後2,3週間は安静に
10カ月に及ぶ妊娠や出産時のダメージで、体は満身創痍の状態です。
まずは安静にして、体を休めることだけを考えましょう。
出産時、通常はわずかにしか動かない仙腸関節(骨盤の関節)が大きく動き、不安定な状態になっています。
関節がぐらぐら動くことで腰の痛みが出ることも。
骨盤を引き締めるために、出産後から2か月ぐらいは腰のサポーターやサラシを巻いて、骨盤を固定してあげましょう。
サポーターを使って骨盤を固定することで、体型が早く元に戻りやすくなります。
『パテサポ』や『トコちゃんベルト』などが人気の商品です。
また、安静にしていても腰の痛みが気になるときは、膝を立てたり太ももの下に畳んだタオルを敷いたりしましょう。
腰の緊張が解け、痛みが軽減されます。
〇産後1カ月目~ 育児中の腰痛に気を付けて
いよいよ自宅での育児がスタート。
体が戻り切っていないのに赤ちゃんから目が離せない大変な時期です。
妊娠期にはどうしても運動不足になることから、育児中は筋力不足の腰痛に陥りがち。
楽な体勢をおぼえましょう!
背中を丸めると腰に負担が集中して痛めやすくなります。
授乳の時や、おむつを替えるとき、背中を丸めないように心がけましょう。
また、赤ちゃんを抱きかかえるとき、膝を伸ばして抱き上げるのはNG。
体の軸から離れると、それだけで負担が大きくなってしまいます。
腰を降ろし、赤ちゃんをお腹に抱き寄せてから立ち上がりましょう。
普段から意識して背筋を伸ばすことで、お腹の弛みも予防できます。
〇産後3カ月目~ 少しずつリハビリを
生後3カ月が経つと赤ちゃんの生活リズムも安定し、子育ても軌道に乗ってくる頃のはず。
タイミングを見計らって、少しずつ体を戻していくリハビリを開始しましょう。
腰痛予防に一番効果的なのは、腹筋と背筋の筋力アップ。
『ドローイング』と『プランク』をおぼえて、空いた時間にできるようにしましょう。
体幹のトレーニングはウエスト・ヒップ周りのシェイプアップに効果大!
ドローイング
仰向けに寝転んで膝を立て、お腹をぐっとへこませます。
お腹をへこませたまま、ゆっくり呼吸を続けましょう。
慣れてくると、立ったまま行うこともできます。
プランク
四つんばいの状態から、脚を伸ばします。
首から足先までを一直線に伸ばして、10秒キープ。
慣れてきたら20秒、30秒と時間を伸ばしていきましょう。
さらに、骨盤を引き締める体操も取り入れましょう。
仰向けになり、足は肩よりもやや広めに開け、膝を立てます。
片脚ずつ、膝を内側に倒していきます。
限界まで倒したら10秒キープ。反対側もやりましょう。
また、普段から腰のサポーターを着けておくのもおススメ。
サポーターの着用で、姿勢や腹筋に自然に意識が行くようになります。
ケアを怠ると…、加齢とともに腰の痛みが出ることも
ケアを怠り骨盤が歪んでしまうと、すぐに症状が現れなくとも加齢とともに筋力が低下したときに腰痛となって現れるかも。
出産後6カ月以上経過すると、骨盤の関節が元に戻り、歪みがとりづらくなっていきます。
腰の違和感が消えないうちは、腰のサポーターやサラシなどでしっかり骨盤を固定してあげることが大切です。
さらに、適度なエクササイズを続けることで体型も戻りやすく。
筋力はすぐにはつきません。
1年後を見据え、育児と並行してゆったりと対策をしていくことがポイントです。