外反母趾はいまや多くの女性が悩む問題。
変形してしまった指の付け根が靴に圧迫されて歩くと痛みが現れることもあります。
そのようなときにはテーピングをほどこして対処することもできます。
整形外科などで診てもらうときにもテーピングをしてくれることがありますが、慣れていないと複雑な方法はまねできないとういのが悩みどころ。
でも大丈夫!一人でもできる簡単な巻き方をご紹介します。
軽度なうちから適切なケアを
外反母趾は足の第1趾の付け根から先が小指側に傾いてしまう症状で、そのままなにもせずに放置していると、親指の靭帯が硬直して動かしづらくなり、徐々に悪化してしまいます。
親指の曲がっている角度が足の軸に対して20度以上のものが外反母趾だと診断されていますので(外反母趾診療ガイドライン2014)、自分で角度を計測して外反母趾の傾向があることがわかったら、靴の見直し、足指のトレーニングなどで進行の予防に取り組むことが大切です。
外反母趾の悪化の予防には親指の位置を矯正する専用の装具を着用することが一定の効果があり有効です。
しかし、強制力の強い装具を着用すると靴が履けないといった生活上のトラブルが生じることもあります。
症状がまだ軽い場合や、外出先でも指の矯正をして予防をしたいという場合には、薬局などで売られているスポーツ用のテーピングテープを使うことができます。
親指を広げるようにテープを貼ろう
テープは固定用のものではなく、伸縮性のあるものを選び、幅は足首や肘に用いられる2.5cmのものが使い勝手がいいでしょう。
まず、テープの先端に2cm程度の切れ込みをいれ、この切れ込みを使って親指を挟み込むようにテープを貼ります。
爪にはテープがかからないように気を付けましょう。
そのままテープを伸ばし、親指の付け根からかかとまでテープを貼っていきます。
かかとで足の裏へと回し、足の裏から足の甲へと2周させれば完成です。
テーピング用のテープはただ上から張り付けるだけでは指を広げる力が伝わりません。
テーピングをする理由は親指を外反の状態からまっすぐの状態に矯正することです。
テープを通して親指に引っ張る力が働くように、テープにテンションをかけながら貼り付けます。
内反小趾もある人は両側から広げるようにテーピング
外反母趾では足の指の付け根にある横のアーチが崩れているため、足の幅が広がり、外反母趾と同時に小指が親指側に曲がってしまう内反小趾が生じることがあります。
内反小趾でも外反母趾と同様に、突き出した部分が靴に圧迫され腫れたり、痛んだりすることがあります。
内反小趾の発生の原因は外反母趾と同じことが多いため、靴の見直しや足指のトレーニングといった対処法が予防・改善に効果的です。
加えて、小指の内反をまっすぐに矯正するためにテーピングの処置をするといいでしょう。
外反母趾と内反小趾が同時に発生している場合には、親指は内側に、小指は外側に広げるようにテーピングを施します。
テープの先端に2cm程度の切れ込みを入れ、切れ込みを使って親指を挟み込むようにテープを貼りつけます。
テープを伸ばし、親指の付け根からかかとまでテープを引っ張りながら貼りましょう。
ここまでで1本目のテープを切ります。
次に、2本目のテープを取り出し、テープの先端に2cmほどの切れ込みをいれ、切れ込みを使って小指を挟み込むように貼り付けます。
テープを伸ばし、小指の付け根からかかとまでテープを引っ張りながら貼りましょう。
ここまでで2本目のテープを切ります。
最後に親指の付け根よりも少しかかと側のところを通るように足の甲から足の裏へ2周テープを回したら完成です。
テープにテンションをかけながら貼り付けることで、親指や小指を軽く引っ張る力が働きます。
基本は靴の見直しと足指の体操
テーピングによる矯正は靴を履いた状態でも行うことができるので、装具療法よりも便利ですが、根本的な解決になるわけではありません。
外反母趾や内反小趾は、歩き方のクセや靴などの影響から、足の指を動かす筋肉が衰え、開帳足や扁平足といった足のアーチがなくなってしまう変形と同時に見られることがわかっています。
そのため、根本的には開帳足や扁平足を矯正するためのケアが重要になってくるのです。
具体的には、足への負担が少ない靴を選び、同時に足指の体操を行うことが有効です。
特にタオルを足元に敷き、足の指でつかみながら持ち上げるタオルトレーニングは整形外科などで広く指導されています。
また、普段の歩き方を足の指を十分活用した歩き方にかえていく必要があります。
開帳足や扁平足になっている人の中には、足で地面をあまりけり出さない『ペタペタ』したすり足の人が多い傾向があります。
かかとで着地し、つま先で強く地面をけり出すように意識して『ペタペタ』した歩きを改善してみましょう。
テーピングによる矯正だけに頼らず、このような複合的なケアを行うことが大切なのです。