ランニングのウォーミングアップは3ステップでバッチリ!

どんなスポーツでもウォーミングアップが必要です。

ランニングでも、いきなり走るとペースが上がりにくいばかりか、ケガの危険性が高くなってしまいます。

そのため、ランニングに入る前に徐々に体を温めていくウォーミングアップが不可欠ということは誰でも知っているはずです。

ところが実際にどのような準備運動を行っているのかを確認すると、簡単な屈伸や伸脚運動で済ませていたり、少しストレッチすれば大丈夫だと思っている人がとても多いようです。

実は、これではほとんどウォーミングアップの意味がありません。

体を温めるという大切なポイントが抜け落ちているのです。

ランニングに必要なウォーミングアップのポイントを確認しましょう。

ランニング前には慣らし運転でエンジンを温めて!

ウォーミングアップのもっとも重要な目的が、体を温めて理想のパフォーマンスを得ることと、関節の可動域を広げてケガを防止することです。

特にランニングの初心者にとって、普段はあまり使わない筋肉を使って運動することになるので、ウォーミングアップで筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げることは、肉離れや靭帯の断裂といったケガを予防するのために必要不可欠です。

また、体を刺激して「これから運動する」というサインを送ることになるため、気持ちが切り替わり競技への集中力を高めるということの意義も非常に大きいものです。

このようにウォーミングアップには、身体と心、両面の意味が含まれているのです。

ところが、最初に触れたように、屈指や伸脚、もしくはストレッチだけという一見正しいようであまり効果がないようなウォーミングアップで満足してしまっている方がたくさんいるようです。

抜け落ちているのは、体を温めるという視点。

ストレッチは体が温まらないまま行っても筋肉がしっかり伸縮しないので、いきなり始めてもやる意味合いが薄くなってしまいます。

ウォーミングの3ステップ

説明してきたように、ウォーミングアップは軽い運動で体を温めることが一番大切。

ただし、ウォーミングアップにはあまり時間をかけず、気持ちいいと思える程度に行うのがポイントです。

わからないorできない運動はさらっと流してしまってもOK!というぐらいの気持ちで取り組みましょう。

ステップ① 軽い体操で身体を慣らす

ウォーミングアップを始めたら、まずは準備体操をしましょう。

下半身から上半身まで、まんべんなく体を動かすことで、「これから運動を始める」というサインを身体に送りましょう。

緩やかに心拍数が上がり、体が運動モードに変わっていきます。

4つの体操で身体を運動モードに

1.屈伸

手を膝について、ゆっくり曲げ伸ばしをする運動

2.伸脚

片脚ずつ外側に伸ばす運動。つま先は真上を向けます。

3.股関節

脚を開いて腰を落とす運動。

4.肩甲骨

両側の肩甲骨を背骨に向かって引き寄せる運動。

ステップ② 軽いジョギングで身体を温める

次に体を温める第2ステップ。

軽いジョギングで本格的に体を温めます。

休み休みでもいいので、軽く汗が浮かぶ程度を目指しましょう。

ジョギングで体を温めることで、いきなりストレッチを始めるよりも身体が伸びやすくなります。

ステップ③ ストレッチでケガ予防

そして体が温まったら仕上げの第3ステップでストレッチ。

膝や股関節を重点的にほぐせば、ランニング障害の予防やペースの向上にもつながります。

ステップ④ 最後の仕上げにストレッチでケガの防止

最後の仕上げに軽くストレッチを行いましょう。

ケガを防止するためには、走ることに関わる全ての筋肉や靭帯(例えば足首、すね、お尻、腰など)について全て行うのがベストですが、あまり時間をかけてしまってもウォーミングアップでかえって疲れてしまうので、ここでは特にランニング障害が出やすい【足首】、【膝】、【股関節】を重点的に行うとよいでしょう。

また、ウォーミングアップでのストレッチは筋肉を運動に適した状態にするのが目的なので、痛みが出るほど強く伸ばすのではなく、心地よいと感じる状態を10秒~20秒キープする、もしくは最近話題に上ることが多い【ダイナミックストレッチ】を軽く行い、疲れが出ないようにしましょう。

膝と股関節を中心に、脚をストレッチ

1.膝裏・ハムストリングス

ハムストリングのストレッチは膝ぐらいの高さの段差があると簡単にできます。

公園や駐車場によくある車止めを利用させてもらいましょう。

車止めにかかとを乗せて、膝を伸ばしてももの後ろを伸ばします。

このとき、つま先は真上に向けます。

2.太もも

太もものストレッチも車止めや壁を使うと楽にできます。

車止めに対して後ろ向きになり、足の甲を車止めに乗せ、ゆっくり後ろに体重をかけます。

柔らかい人ではかかとがお尻に着くはずです。

壁がないときには、寝転がって片側だけ膝を曲げ、お尻の下にかかとがくるようにすると同じところを伸ばすことができます。

3.股関節

準備体操でも行った股を開く動きでもストレッチできますが、あぐらをかくとより効果的になります。

あぐらをかき、足の裏同士をくっつけて、腰を前に倒します。

猫背にならないよう背筋を伸ばし、骨盤を起こすことがポイントです。

4.足首

あぐらをかいたまま、足首を片脚ずつつかみ、時計回り、反時計回りに回します。

靴を脱いで行うとより効果的です。

ウォーミングは簡単に、でもクールダウンは10分かけて

ランニングが終わった後には必ずクールダウンを行うようにしましょう。

むしろ、疲労を残さず、ランニング障害を防ぐためには、クールダウンに時間をかけて入念にストレッチを行うことが大切です。

ところが、ウォーミングアップは毎回しっかりやろうという意識を持っていても、クールダウンのことをすっかり忘れてしまっている人が意外と多いようです。

ランニングのメニューが終わったら、そのまま軽いジョギングに移り、リラックスした状態でしばらく走りましょう。

徐々にペースを落としていき、最後はウォーキングをして止まります。

その後はウォーミングアップでも行ったストレッチのメニューで激しく収縮した筋肉をほぐしていきましょう。

入念にストレッチすることで、回復が早くなります。

併せて10分ほどの時間をかけることで、血中乳酸濃度が落ち着いていきます。

フルマラソンなどのさらに負荷が強い運動では20分程度の時間をかけて体を戻していく必要があります。

ウォーミングアップとクールダウンはどちらもコンディションを整える上で大切な要素です。

ランニングをするごとに欠かさず行うようにしましょう。