転倒・破裂事故にご注意を!やってはいけないバランスボールの使い方

バランスボールは上に座ってバランスを取るだけで姿勢が良くなったり体幹が鍛えられたりするというので、腰痛対策として椅子の代わりに導入している企業もあるようです。

企業だけではなく、普段から腰や背筋のことに気を遣って、バランスボールを椅子代わりに使ったり、バランスボールエクササイズをやってみたりしている人も多いはず。

だれでも簡単に座ることができるので、特に危険はなさそうですが……?

実はバランスボールには重大事故につながってしまう危険性も潜んでいます。

使い方を間違えると、打撲や骨折、中にはくも膜下出血を引き起こしてしまったという事例も。

絶対にやってはいけない、間違ったバランスボールの使い方を紹介します。

転倒・破裂―――バランスボールでまさか!の事故にご注意

バランスボールはもともと理学療法で使われるリハビリ用の運動器具だったものですが、ダイエットや腰痛予防にも役立つ運動が気軽にできることから、数年前からは家庭用のものも人気を博しています。

大きなゴムボールの上に座ると、不安定さから姿勢を維持する必要があり、結果として姿勢を改善させたり、バランスをとるための体幹を鍛えられたりするため、椅子の代わりとして日常的に使っている人も多いようです。

でも、使っている最中にバランスを崩しかけて、ヒヤリとした経験したことがある人も少なくないのではないでしょうか?

バランスボールは一見して何の危険もないようにみえる健康器具です。

ところが、バランスを崩して転倒したり、間違った使い方をして突然破裂してしまったりする事故も起こっています。

全体重を預けている「椅子」が突然倒れたら、そのまま大きくバランスを崩して勢いよく転倒してしまうのも無理はありません。

また、バランスを崩さなくても突然ボールが破裂して腰を床に強く打ち付けてしまったという事例もあります。

坐骨からの垂直な落下は、尾てい骨骨折や腰の捻挫など、その後も影響を与えてしまいそうなケガにつながるおそれもあり、大変危険なことです。

バランスボールを使用する際には、間違った使い方をする可能性がある子どもはもちろん、バランス感覚がしっかりした大人でも不意の事態に十分注意する必要があるのです。

絶対にやってはいけないバランスボールの使い方

では、どのような使い方をすると危険なのでしょうか。

事故を防ぐために、絶対にまねをしてはいけない使い方を確認しましょう。

1.飛び乗る

子どもによるバランスボールの事故の多くは、勢いよく飛び乗った際に起きています。

バランスボールはゴム製のボールなので、思わぬ反発を受けたり、回転して転倒してしまったりするおそれがあります。

非常に不安定であることが特徴の器具なので、真上から慎重に乗るように心がけましょう。

2.修理してまた使う

バランスボールは薄いゴム膜でできたボールなので、とがった物に触れたり、熱によって溶けたりして穴があいてしまうことがあります。

このとき、もったいないからといってビニールテープなどで修理して再び使うことは絶対にやめましょう。

うまく修理できたようにみえてもある日突然空気が抜けて、転倒したり、腰を打ち付けてしまったりするおそれがあります。

全体重をかけているときにバランスを崩すと、重大なケガにつながってしまうおそれがあるので大変危険です。

3.ものが散乱している部屋で使う

ものが散乱した部屋で使うことは、とっさのときに身動きが取りにくく思わぬ事故につながりかねません。

バランスボールはなるべく広い部屋で使うようにしましょう。

また、絨毯や畳など、比較的柔らかい床の部屋であれば、転倒した際にも危険性を軽減できます。

特にバランスボールの周囲にないか注意したいものは、先のとがった物や、ストーブ類です。

バランスボールに突然穴が開き、腰を打ち付けてしまうおそれがあります。

4.二人乗りをする

ゴムボールであるバランスボールは、どのような反発力が働くか予想が難しく、相手の動きで思わぬ反動を受けるおそれがあるため二人乗りは危険です。

上に乗って行う運動は、必ず一人ずつ行うようにしましょう。

5.屋外での長期保管

バランスボールに使われているゴム素材は、紫外線や熱によって経年劣化を起こします。

見た目にはわからなくても、ひび割れて強度が低下していることも。

長期間保管する場合には、必ず空気を抜き、風通しの良い屋内で保管するようにしましょう。

ブランク後に再利用する場合には、まず様子を見るようにしましょう。

警告!メジャーテープは必ず使って!

さらにバランスボール(エクササイズボール)の説明書に必ず書いてあるのが、空気を入れる量についての記述です。

意外と見落としがちなことですが、バランスボールは規定の大きさ以上に空気を入れすぎるとゴム素材に異常な負荷がかかり、破裂や劣化の危険性が高まってしまいます。

また一度伸びたゴムは元に戻らないため、空気を入れすぎたバランスボールは使うことができません。

空気の入れすぎを防ぐため、バランスボールには必ずメジャーが付属しているはずです。

必ずメジャーを使って説明書どおりの大きさに仕上げなければ、安全性は確保できないことを憶えておかなければいけません。

初心者は手で押すとへこむ程度の圧のほうがバランスが取りやすく取り扱いやすいので、空気圧は8分目ぐらいを目安に入れるといいでしょう。

空気を入れるときの注意点

1.気温が高い状況(猛暑日等)では空気を入れない。

空気を充填した後に、さらに膨張してしまうおそれがあります。

2.一度保管した後、再び空気を充填したときはしばらく様子を見る

目には見えない細かい劣化があることも。

空気漏れがないかを入念にチェックして。

使い方に気をつけて楽しく続けよう
バランスボールのような健康器具で、一番大切なことは、事故を起こさずケガをしないこと。

健康になるために購入した器具でケガをしてしまっては、本末転倒です。

また健康器具は長い期間続けることに意味があります。

ヒヤリとした体験をしなくてすむように、楽しく・正しく使いましょう。