【仕事中の腰痛・ぎっくり腰対策】月曜日の午前中は腰痛発生「魔の時間」

月曜日の午前中は、休み気分が抜けきらなくてだるい・しんどい。

きっと誰もが一度は感じたことがあるに違いありません。

しかし週明けの憂鬱は気分だけの問題ではありません。

月曜日の午前中は、最も腰痛リスクが高い「魔の時間帯」でもあるのです。

腰痛注意!月曜日の午前中は魔の時間帯

職場における腰痛を予防する目的で、厚生労働省は「勤務中のいつ腰痛が発生するのか」を調べています。

平成16年に発生した「休業4日以上の腰痛」の報告のうち、全4008件を抽出した結果が以下の図です。

最も目を引くのが「時間帯別グラフ」のお昼前にある大きなピーク。

なんと全体の40%以上が8時から11時までの3時間に集中しています。

お昼休みを挟んだ後にも、もう一つ小さなピークがあることも見逃してはいけません。

「曜日別グラフ」の方は単純明快で、月曜日が一番多く、後は下がる一方。

当然、週末は数が少なくなっています。

最も多い発生日は月曜日、時間帯は午前中。知っておくだけでも予防にはなる。

業種ごとにデータを確認しても、作業形態によって傾向が変わることはなく、月曜日の午前中が最も多いようです。

一体なぜなんでしょうか?

まず考えられるのは、仕事モードになっていない体をいきなり動かすことで腰に大きな負担がかかってしまうことです。

曜日によらず、午前中の仕事始めに明らかに多いこと、昼休みが終わった後も少し増えていること、そして土日という最も体がオフモードになる時期を経た翌日に最大になっていることが理由です。

始業前には必ず体を温めてから仕事に取り掛かることが大切です。

先ほど述べたように、業種・作業形態ごとに発生件数は異なりますが、増減の傾向は変わりません。

また、その腰痛発生件数でも、2位は「商業・金融・広告業」。

デスクワークであったとしても、関係ありません。

体を動かせる状態にしてから仕事に取り掛かったほうがよさそうです。

また、この分析では年齢別の統計も公開されています。

驚くべきことに、最も多いのは30歳以下の若い世代で、全体の4分の1を占めています。

30代から40代はほぼ横ばいで、50代以降は下がっています。

若くても油断できません。

むしろ若いからこそ入念なリスクマネジメントが必要です。

労災腰痛はむしろ若い人ほど注意が必要。一番の敵は油断です。

〇仕事を始める前に腰の体操を!

朝や休み時間の後などには、体操を取り入れて体を温めましょう。

腰に手を当て体を反らしたり、前屈をしたり、屈伸をしたりといった簡単な動作でも十分です。

ラジオ体操が手軽で効果的かもしれません。

夕方の予防が威力を発揮する

ここまで紹介した厚生労働省のデータは、4日以上休んだ腰痛についての調査です。

一方、多くの労働者はそこまでいかなくとも日々モヤモヤとした「軽い腰痛症」に悩まされているはず。

こちらに目を向けた調査もあります。

医薬品大手の第一三共ヘルスケアは2016年、全国の男女50000人を対象に肩こりと腰痛に対する意識調査を行っています。

以下の図はその中の、腰痛を感じる時間帯についての調査結果をまとめたものです。

厚生労働省の時間帯別グラフとは、全く異なる傾向があらわれています。

上のグラフは午前中に集中していたのに対し、このグラフでは夕方から夜のはじめ頃にかけてが最も多くなっています。

午前中から腰痛を感じている人も。皆さん我慢しているようですね。

こちらはずっと座り続けることや、ずっと立ち続けることによる慢性的な腰痛が主な症状になっています。

急に体を動かしたり、重たいものを持ったりすることでおこるぎっくり腰とは異なり、もやもやした疲れがずっと付きまとって引き起こされています。

労働者健康福祉機構の調査では、腰痛症がある人のうち、半分以上は仕事に支障のないレベルだと答えています。

休むほどではないレベルの腰痛に悩んでいる人はとても多いのです。

このようなもやもやとした腰痛はどのように防いだらいいのでしょうか。

夕方のモヤモヤ腰痛を引き起こすのは、やはり「座りっぱなし」や「立ちっぱなし」。

同じ姿勢を長く続けることに主な原因だと考えられます。

30分に一度は立ち上がったり歩き回ったりするなど、違う動きを取り入れることが効果的です。

特に予防効果を発揮するのは15時を過ぎたころ。

一度持ち場を離れ(離れなくてもいいけれど)入念に全身ストレッチをすることで、2時間後3時間後のモヤモヤをかなり軽減できるはずです。

調査によると、腰痛は重症化すればするほど、耐えられなくなり、毎日痛くなってくるようです。

痛みや違和感が軽いうちから予防に取り組むことが大切です。

仕事は体が資本。

そして腰は体の要。

快適に仕事がこなせるように気を付けましょう。

(参照)※第一三共ヘルスケア『30代・40代の全国47都道府県男女50,000人に聞く、肩こり・腰痛調査』

〇昼下がりになったら全身ストレッチ

夕方の腰痛を防ぐため、違和感がひどくなる前から体を動かしましょう。

腰に手を当て体を反らしたり、前屈、屈伸などで入念に体を動かすと効果的です。

大きく伸びをしたり、段差に脚をかけお尻やもものうらを伸ばしたりする運動も適しています。