なにかとストレスが多い現代社会ですが、「心理・社会的要因」といってストレスが腰の痛みを引き起こしているという説が強い支持を集めています。
そんなストレスを解消する方法の一つが、一種の自己睡眠である「自律訓練法」です。
「自己催眠」と聞くといぶかしむ人もいるかもしれません。
しかし、自律訓練法の最大の目的は「リラックス状態を得ること」であって、自分をだますとか、怪しい暗示をかけるとか、そういった類のものではありません。
やり方さえ知れば一人でも習得でき、いつでもどこでも実践できるようになるのが大きな魅力。
不思議な感覚とともに極上のリラックスが味わえる「自律訓練法」のやり方を詳しく解説します。

そのまま睡眠がとれる環境ができたら、いよいよ暗示をかけていきます。
最初に「気持ちが落ち着いている」と4、5回繰り返し心の中で唱えましょう。
自立訓練の中で唱える言葉は決められていて、それぞれ「公式」と呼ばれています。
背景公式 「気持ちが落ち着いている」
第一公式 「右腕が重たい 左腕が重たい 両脚が重たい」
第二公式 「右腕が温かい 左腕が温かい 両脚が温かい」
九州大学病院心療内科「自律訓練法」より
背景公式は時間をかけず、自分の心の状態を確かめたら、第一公式に進みましょう。
右手から順に「重たい」と心の中で唱えながら、手足が重く感じる感覚を味わいます。
意識して重たくしようとするのではなく、どんな変化があるのかを興味本位で眺めてみる、という気持ちで行うことがポイントです。
さらに次は第二公式です。
同じように右手から順に「温かい」と唱えながら、手足があったかくなっていくのを感じます。
本当は、第六公式までありますが、まずは第二公式までをできるように練習しましょう。
第三公式から先は、持病や体の状態でやらないほうがいい場合もあります。
詳しい説明は九州大学病院のHPも参考にしてください。
ストレスを自律的にコントロールしよう
近年、腰痛診療の現場では「心理・社会的要因」、つまりストレスが痛みに与える影響が注目されています。
厚生労働省の『職場の腰痛予防対策ガイドライン』でも、仕事への満足感や働きがいが得にくかったり、職場での対人トラブルがあると、腰痛を発生させたり、症状を悪化させたりすると注意を促しています。
自律神経をコントロールし、ストレスに強い体を作る。
自律訓練法は現代型腰痛に適した方法かもしれません。