腰痛に悩んでいても、これといった対処をせずに放置していませんか?
全国の5万人を対象にした調査では、腰痛を放置することで生活の質や幸福度にも悪影響を与えていることがわかっています。
簡単なものでもいいので、小まめに対処をすることが腰痛を悪化させないための重要なポイントです。
(参照)第一三共ヘルスケア『30代・40代の全国47都道府県男女50,000人に聞く、肩こり・腰痛調査』
「愛媛県民」に学ぼう!早めの対処が腰痛を予防する
2016年7月に第一三共ヘルスケアが全国の30代・40代の男女50000万人に対して行った「肩こり・腰痛の実感」に関する調査では、最も腰痛を感じている人が多いのは秋田県(53.5%)、最も少ないのは愛媛県(39.8%)となり、両者の間には10%以上の開きがあることがわかりました。
さらに、腰痛の少ない愛媛県では肩こりや腰痛の症状を放置せず、早い段階で何らかの自己対処を行っているとのこと。
具体的には、「市販の外用薬(貼付薬)」「ストレッチやヨガ」「お風呂やシャワー」などが大半を占め、これといって特別なものではないことがわかります。
肩こりや腰痛に対処するタイミングや対処内容についてのアンケートでも、愛媛県では自己評価が高かったことから、自分で満足できる対処を早期に行うことが腰痛予防につながる可能性があることが示唆されています。
(補足)左は都道府県別の腰痛持ちの割合をランキングにしたもの。調査人数は総務省統計局の推計人口から比率を割り出し合計5万人になるように分配した。右は肩こり・腰痛が「月2~3回以上」発生すると回答した人に放置しがちかどうかを尋ねたもの。全体平均に対し秋田では放置の割合が多く、愛媛では少なくなっている。
「脳」が腰痛を悪化させる
また同調査では、「我慢できないほど」の痛みを伴う腰痛重症者に対する意識調査も行っています。
腰痛軽症者のうち毎日痛みを感じる人が17.2%だったのに対し、重症者では44.5%。腰痛重症者はストレスを感じている人も83.7%と全体平均よりも高いという結果に。
悪化した腰痛は発生頻度も高く、ストレスにも悪影響を与えているようです。
腰痛重症者の多くが、症状がつらくなってから対処すると回答していますが、その多くが自分の対処法に満足できていません。
「我慢できないほど」の痛みを伴う腰痛は治りにくい、という傾向が露になりました。
これには「脳」の誤認識も影響を与えているようです。
最近では、「痛みへの恐怖」が痛みを長引かせていることが明らかになっています。
痛みへの強いストレスが、脳の機能を鈍らせ、痛みへの感受性をさらに高めてしまうのです。
ストレスを溜め込まず、前向きな気分を保つ秘訣は、やるべきことを先延ばしせずにすぐにやってしまうこと。
腰痛を放置せず、痛みやハリを感じたら早期に自分なりの対処を行うという「腰痛の少ない愛媛県民」が行っていた対策は、まさに痛みを早く鎮めるための対処になっていたのです。
また、腰が痛くて動かすことに抵抗がある場合でも、少しずつ動かして可動範囲を広げていき「痛みへの恐怖」を克服していくことも重要です。
痛みスパイラルからの解放で幸福度向上へ
第一三共ヘルスケアが全国の50000人に対して行った調査から、我慢できないほどのつらさを感じていても、多くの人が腰痛を放置しがちである実態が明らかになりました。
しかし、放置すればするほど、痛みが新たな痛みを引き起こし、ストレスが蓄積していく悪循環が続いてしまいます。
「市販の外用薬(貼付薬)」「ストレッチやヨガ」「お風呂やシャワー」など簡単なものでもいいので、痛みや違和感に気が付いたらすぐに対処を始めることが痛みスパイラルを断ち切る突破口です。
一人での対処に限界を感じたら、マッサージや鍼灸なども利用してみてもいいかも知れません。
こちらは、アメリカ内科学会の腰痛治療ガイドラインで、推奨されている方法です。