私たちの身体の隅々まで流れている血液は、なんと体重の13分の1(8%ぐらい)もの割合を占めています。(参照:日本赤十字社)
酸素や栄養分など、身体が活動するために必要なものを運んでいる血液の流れが悪くなると、さまざまな不調につながります。
例えば、肩こりや冷え性、頭痛、イライラ、そして腰痛も血液の流れが深く関係している場合があります。
多くの女性が悩む不定愁訴と呼ばれる症状は、血行不良が影響しているケースが多いのです。
どうして血液の流れが悪くなると腰痛になるの?
心臓から出発し、体の隅々まで広がっていく血液は、酸素や栄養素など身体が活動するのに必要なものを常に運んでくれています。
ところが、ずっと同じ姿勢でいたり、体が冷えて血の巡りが悪くなったりすると、手や足など、末端にある筋肉から血流量がしだいに低下していきます。
筋肉の活動に必要なエネルギーが不足してしまうのです。
また、血液は静脈に戻るとき、細胞が出した老廃物を洗い流す役割も担っています。
血の巡りが悪くなることで、身体が活動するために必要なエネルギーが不足するだけではなく、筋肉の内部にどんどん老廃物が蓄積してしまうのです。
このような状態が続くと筋肉はだんだん疲労して、硬くなっていきます。
これが筋肉の「コリ」として知られている状態です。
硬くなった筋肉は血管を圧迫して狭めてしまうため、さらに血が通いにくくなり、ますます環境が悪くなる悪循環を繰り返してしまいます。
いわゆる肩こりや腰痛は、こうした悪循環の連鎖によって慢性的な痛みに発展していくのです。
血行不良の影響はこんなところにも
・手足の冷えがひどくなる
・首、肩、腰にモヤモヤした痛みが現れる
・ズーンと重苦しい頭痛に
・いつも頭がボーッとして、疲労感が抜けない
・代謝の悪化で肌荒れも
ただし、すべての腰痛が血行不良によって引き起こされているわけではありません。
血液の流れが悪くなって引き起こされる慢性的な腰痛は、どちらかというと病院で検査をしても原因がはっきりしない「本態性腰痛」のひとつ。
検査をしてもわからないほどの些細な不調が積み重なって引き起こされていると考えられるものです。
その他にも、腰痛にはなにか他の病気によって引き起こされている「症候性腰痛」というものがあります。
これはヘルニアや狭窄症など、検査をしたらはっきりわかる原因があるものです。
症候性腰痛は病気を治療することが先決なので、つらい腰痛に悩まされているのなら、まずは原因をはっきりさせるために医療機関に相談してみることをオススメします。
足元から体を動かそう!
疲れて身体が痛みだすと、寝て治そうと思いがち。
しかし、実は身体を動かして血の巡りを促進させる「アクティブレスト」のほうが効果的なケースが多々あります。
軽い有酸素運動を取り入れることで筋肉に溜まった疲労物質が効率的に処理されるようになるのです。
こんな運動が効果的
ジョギング
話しながら楽しめるペースで。
いきなり始めると足腰への負担が大きいので注意。
サイクリング
ジョギングよりも足腰への負担は少ないのが特徴。
軽くペダルをこげるペースで十分。
スイミング
サイクリングよりもさらに負担が少ないのでオススメ。
足腰に不安があるならまずは水泳から始めよう。
水中ウォーキングだけでも運動効果が高い。
ここがポイント!
有酸素運動はしんどさを感じないペースで、30分ぐらいは続けよう。
運動後は整理体操をしてから入浴すると、疲労が残りにくく、筋肉がしなやかに。
また、女性は筋肉量が少なく、血が脚に溜まってむくみやすい傾向が見られます。
脚の筋肉を維持・向上していくことが腰痛、冷えの予防につながります。
脚の筋肉を鍛えて血を押し戻す力をアップ
足裏
足の指を使ってタオルをたぐり寄せる
ふくらはぎ
つま先立ちでかかとを上げ下げ
太もも
寝転がって両膝でクッションを挟み、足を上げ下げ
ここがポイント!
筋肉はバランスよく鍛えることが大切。
どれか一つに集中するのではなく、まんべんなく実践しよう。
適度な運動をすることで、ストレス解消になり、精神的にもいい効果が期待できます。
運動後は入浴や足湯で体を温めましょう。
血液のめぐりが良くなって、腰の疲労も楽になるはずです。
血液の流れが滞る主な原因は「運動不足」や「ストレス」です。
筋肉が持つポンプ機能が衰えることで水分の大循環が弱まり、疲れやだるさを感じるようになってしまうのです。
腰のだるさやモヤモヤした痛みを感じたら、安静にするよりも有酸素運動やストレッチを取り入れたアクティブレストで積極的に体力の回復を目指しましょう。