年とともに感じることが多い体の不調の一つが腰痛です。
2004年の『国民生活基礎調査』によると、腰痛は通院理由の第2位という結果になっているのです。
慢性的な腰痛を何とかしようと、腰のエクササイズやストレッチを取り入れている人も多いのではないでしょうか。
このような運動を行うときにとても役立つのがバランスボールです。
どのような使い方をすると効果的なのかをご紹介しましょう。
ぜひマネをしてみてください。

動かさないでいると・・・、どんどん失われる腰の柔軟性
腰痛症に限らず、慢性的な痛みを抱えている箇所では柔軟性が低下しているケースが多く見られます。
たとえば、いつも肩こりに悩まされている人では肩甲骨の動きが悪くなっていて、肩甲骨をつかんで肩を回してあげると、ゴリゴリと痛気持ちいい刺激が得られることが多くなっています。
これは、日常生活の中でその部分の関節・筋肉をあまり使っていない証拠です。
あまりに体を動かす習慣がないと、その部分の動かし方さえわからなくなってしまうこともあります。
(この状態がさらに進行すると、老年期のフレイルと呼ばれる衰弱につながっていきます)
では、試しに腰の柔軟性を確かめてみましょう。

立ち上がって前屈をしてみてください。
手のひらがべったりと地面につきますか?
もしくは開脚をしてみてもいいかもしれません。
自分の身長と同じ長さぐらいまで、脚を開くことができますか?
(脚が短いという人でも股関節の柔軟性があれば、身長+10cm程度は脚が開きます)
できないあなたは腰や股関節が少しばかり硬くなっているのかもしれません。
さて、このように腰痛対策の中では腰の柔軟性が非常に大きな意味を持ってくるわけですが、実は腰だけに着目していても不十分なのです。
腰痛は腰の筋肉に原因があるように感じますが、実はお腹の筋肉が収縮してしまっていることも腰へのストレスを増す大きな要因の一つになっています。
腰痛対策の中では、腰周りと同時にお腹周りも動かす必要があるのです。
バランスボールの使い方
バランスボールを始めて使う初心者でもできる簡単で安全なバランスボールエクササイズを紹介します。
まずは、マネをしてみましょう。
※慣れないうちはバランスがとりづらく、転倒してケガをしてしまうおそれがあるため、畳やマットレスなど軟らかい床の上で行うと安心です。
また、充填する空気は8分目とし、押したらぐにゃりとへこむぐらいの軟らかさがあるとバランスがとりやすいでしょう。
1.バランスボールにゆっくり座ってバランスをとってみましょう
最初はバランスボールに座るところから始めましょう。

バランスボールの中央に向かって、まっすぐにお尻を下ろしましょう。
座ることができたら、そのまま腰を前後左右に動かしてみましょう。
足の位置や肩の位置を変えずに、腰だけ前後左右に動かすことで、腰周りや股関節を効率的に動かすことができます。
2.バランスボールの上に腹ばいになって背中側の筋肉を使ってみましょう
次に、バランスボールの中央におへそが来るように乗ってバランスをとってみましょう。

バランスが取れたら、右手と左足を地面と平行になるまで持ち上げて、手の先からかかとまでの対角線が一直線になるようにしましょう。
背中の筋肉を縮ませることを意識するとエクササイズがさらに効果的になります。
10秒キープできたら、反対側も同様に。
バランスをとりながら、左右10回ずつ行いましょう。
3.バランスボールを足で持ち上げてお腹をシェイプアップしましょう
今度はバランスボールを足で抱えて持ち上げる運動をしましょう。
床に仰向けになって、両脚でバランスボールを挟み込みます。
両脚をしっかり伸ばしたまま、足の付け根(股関節)からボールを持ち上げましょう。
手の反動などは使わずに、股関節を引き起こす運動を意識すると効果的です。
ゆっくりとした動きで10回続けて行いましょう。
4.バランスボールに背乗りしてお腹を伸ばしましょう
最後にバランスボールの曲面を使ってお腹を思いっきり伸ばしましょう。
バランスボールに背中から乗り、腕も頭上に上げましょう。
ゆっくりと10回深呼吸をして、全身の力を抜くことがポイントです。
安全にバランスボールを使うための注意点
簡単で、一見安全なように見えるバランスボールを使った運動ですが、実はしばしば骨折などの事故も起きています。
いきなりバランスを崩して転倒してもいいように、畳やマットレスなどの軟らかい床の上で行うようにしましょう。
また、バランスボールは身長ごとにちょうどいい大きさがあります。
150㎝以下 45㎝
150㎝~170㎝ 55㎝
165㎝~185㎝ 65㎝
185㎝以上 75㎝
このような目安があるので、自分の身長に見合った大きさのバランスボールを使うようにしましょう。
その他、破裂事故などを引き起こす使い方は絶対にやめましょう。