いまさら聞けない湿布のいろは!肩こりには効くの!?

毎日体を酷使していると、どんどん悪くなる肩こり、腰痛、筋肉痛。

年を重ねていくごとにどんどん直りが悪くなって、いつしか慢性的な症状に発展してしまいます。

あまりに痛みがひどいと何をするにも集中できなくて、もう本当につらい。

なんとか肩こりの痛みから解放されようと湿布薬を使う人も多いのではないでしょうか。

テレビでも肩こりに効く湿布薬のCMは時代が変わっても必ずある定番です。

しかし皆さん、なんとなくで湿布薬を使っていませんか?

パッケージを開けるなり、説明書も読まずに湿布の包みをびりびりと開けている皆さん!

使い方を間違えると、恐ろしい事態になってしまうかもしれませんよ!

この機会に湿布薬について少し詳しく勉強して、正しい知識を身につけましょう。

温感と冷感の違いって?

日本人の6割が肩こりに悩まされている現代。

薬局には多くの湿布が所狭しと並んでいます。

薬局に並んでいる湿布をよく見てみると、2種類に分けられることがわかるかと思います。

温感湿布と冷感湿布です。

ふたつのパッケージを見比べてみても、どちらにも肩こり、腰痛、筋肉痛が適応症の欄に記載されていてよく違いが分かりません。

そもそも、この2つの湿布っていったい何が違うのでしょうか?

肌に張り付けたとき、ジンジンと暖かく感じるのが温感湿布、冷たい水を含んだタオルのようにヒヤリと感じるのが冷感湿布です。

この2つは、病院や薬局で処方されるときには、実ははっきりと使い分けられています。

肌に貼ると冷たい感覚がする冷感湿布は、主に急性期用の湿布です。

ぎっくり腰や五十肩・四十肩のような、急激に痛くなった症状の最初の数日間が対象です。

冷やすことで炎症を鎮めるのが狙いです。

一方、肌に貼ると暖かい感覚がする温感湿布は、慢性的な腰痛や肩こりのような、ずっと同じような痛みが続いている症状が対象です。

急性症状が発生からしばらくたって落ち着いてきたときにも使われます。

使い分けが良くわからないときは、患部を冷やすと心地よく感じる症状には冷感湿布を、患部を温めると心地よく感じる症状には温感湿布を、という使い分けでほとんど間違いありません。

(参照:宮崎県薬剤師会

説明書に書いてある!湿布の正しい使い方

多くの人が良く読まずに捨ててしまう説明書。

しかし薬には副作用があります。

めんどくさがらずにきちんと確認するように心がけましょう。

湿布薬の説明書にはおおまかに次のようなことがかかれています。

・次の部位には使用しないでください。

目の周囲、粘膜の近く、けがをしている箇所。

・連続して2週間以上使用しないでください。

湿布薬は刺激が強い貼り薬です。

肌の弱い人が使ったり、同じ場所で連続して使用しているとかぶれたり腫れることがあります。

・入浴の1時間前にははがすようにし、入浴後は30分ぐらい経ってから使用しましょう。

・貼った場所をカイロやこたつで温めないようにしましょう。

熱を加えることで赤くなったりかぶれやすくなります。

お風呂に入って血行が良くなった状態で湿布を貼ると有効成分がよくめぐり、肩こりや腰痛によく効きますが、入浴後しばらく時間が経ってから使用するようにしましょう。

さらに次のような項目も。

・貼っている場所が強い日差しに当たるのを避けてください。

恐ろしい紫外線アレルギーのリスクがあるのです。

知らないと危険!湿布+太陽光=紫外線アレルギー

日差しが強い季節には、さらに恐ろしい副作用のリスクが潜んでいます。

夏になると、湿布を肩や手に湿布をのぞかせたまま外出している人をときどき見かけます。

でも、湿布を張った患部を外にさらしたまま外出するのは、ちょっと待った!

湿布に含まれる成分が紫外線と反応して、光線過敏症になってしまうリスクがありますよ。

光線過敏症の症状は激しく、肌がひどくただれたり、水膨れになってしまうことも。

ただれた部分がきれいに湿布の形になっているのですからシャレになりません。

湿布に含まれる成分ははがした後もしばらくは残っています。

光線過敏症を引き起こすことで有名なケトプロフェンを使った湿布薬の中には、なんと使用後4週間も貼っていた患部を太陽にあてないように注意が気に書かれているものもあります。

ケトプロフェンだけではなくインドメタシンやフェルビナクでも光線過敏症を発症する可能性があるので、湿布を使うときは注意するようにしましょう。

湿布を貼っている間だけではなく、はがした後もしばらくは強い太陽光の下にさらさないようにしましょう。

痛み止めとして上手に活用して

意外と奥が深い湿布の世界。

正しい使い方をマスターして、正しく使いましょう。

湿布薬は肩こりの痛みの症状を対処するための薬です。

肩こりは一度発生すると、血液の流れが悪くなり、新たなこりを生み出してしまう「肩こりの悪循環」に陥ることがあります。

痛み止めとして湿布を活用することで、この連鎖を断ち切ることができるかもしれません。

ただ、肩こりの解消には適度な運動やバランスのいい食事、ストレスの解消なども必要です。

湿布に頼りきりというのは避けましょう。