つらい肩こりを解消しようとストレッチをしたり、整体に通ったりしている方も多いかと思います。
ところが、そのときは体がほぐれて気持ち良くなってもすぐに元に戻ってしまうというような結果になっていませんか?
肩こりは原因を理解し、それを根元から取り除かないとなかなか改善していきません。
では、その原因とはいったいどのようなものなのでしょうか。
ここではつらい肩こりの原因をご紹介します
肩がこっているってどういう状態?
そもそも肩がこっているというのはどのような状態なのでしょうか。
ご存知のように、私たちの体は、筋肉が伸びたり縮んだりすることで動いています。例えば寝ている状態から起き上がるとき、おなかの筋肉が縮むことで体を持ち上げることができます。一方、このとき背中の筋肉は伸びています。
伸びて、縮んでがスムーズに行えるのが正常な筋肉ですが、酷使されダメージを受けてしまった筋肉は萎縮して固くなってしまいます。このように筋肉が常に縮んだようになってしまうのが『こり』と呼ばれる状態です。
さらに一度凝り固まった筋肉の中では血行が悪くなり、酸素が不足しがちです。そうなると疲れが取れにくく、ますます筋肉が固くなってしまって……、といった負のスパイラスに陥ってしまいます。
このように肩や首の筋肉が酷使され固くなってしまうことで『肩こり』になってしまうのです。
具体的な原因とは
では、肩や首の筋肉をいじめているのはいったいなんなのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
〇姿勢が悪い
肩こりの要因のうち大きな影響を与えているのが、肩や首にストレスをかけるような悪姿勢です。
人間の頭の重さは個人差もありますが約5kgもあります。5kg入りの米袋を想像するとわかるかと思いますが、持ち上げるだけでも重労働です。肩や首にはそれほどの重さが常にかかっているのです。
5kgのお米袋を片手で運ぶことを想像してみてください。腕を縮めてお米袋を体の軸に近づけると比較的楽に運べます。しかし腕を伸ばしてお米袋を体から遠ざけると、とたんに腕がつらくなってきます。
これと同じことが頭と首にも起こります。
姿勢がいい人は頭の重さがまっすぐ体の中心にかかるのでそれほど負担を感じません。
一方、猫背の人は体の中心に対して頭が前にせり出してしまいます。
このとき、体の中心からずれてしまった頭をなんとか支えようと、肩や首の筋肉にかなりの負荷がかかってしまうのです。
〇眼精疲労
眼精疲労はパソコンやスマホが普及して以降、悩んでいる人が多い症状のひとつです。目がズーンと重く感じたり、目の奥に痛みや違和感が出ることもあります。『目のこり』ともいえる眼精疲労も実は肩こりに大きく影響します。
パソコンやスマホの画面をじっと見つめているとき、目の焦点を合わせるために目の周りの筋肉の緊張が継続します。これが全身の緊張につながり、首や肩も同時に疲れやすくなってしまいます。
また目を動かす『外眼筋』は肩甲骨回りの筋肉である『肩甲挙筋』と連動しています。目を酷使すると連動している肩の筋肉までダメージを受けてしまうのです。
〇ストレス
ストレスが原因だと考えられる肩こりに悩まされる人が特に女性で増えています。
ストレスによって自律神経が乱れると、交感神経が優位になり、筋肉の緊張がほぐれにくくなると考えられています。
〇血行が悪い
運動不足だったり、体が冷えている状態が続くと全身の血行が悪くなります。血流が不十分になると、筋肉にいきわたる酸素や栄養が不足しがちになります。また、老廃物を流しとることができず筋肉の疲労も回復しづらくなります。
〇末梢神経のダメージ
いくらもんでもよくならない、いつも同じところがこっているという場合、末梢神経がダメージを受けている可能性があります。固くなった筋肉に圧迫されたり乳酸がたまってしまうことで末梢神経がダメージを受け、痛みや違和感として認識されている状態です。
パソコン・スマホの使い過ぎは肩こりまっしぐら
パソコンやスマホの画面をずっと見ていることが多い人は特に注意が必要です。
パソコンやスマホの画面を見るとき、知らず知らずのうちに前のめりになりがちですが、このとき、猫背の状態になるので肩や首に負担がかかっています。
パソコンやスマホで作業している間、ずっとこの体勢が続くことになります。
体はじっと動かないので血行不良になりやすい一方、肩や首は長時間のハードワークを強いられ、しかも長時間にわたって目を酷使することにもなるので、眼精疲労も引き起こしやすい状態です。
このようにパソコンやスマホには肩こりになりやすい条件がそろっているのです。
原因ごとの対処法を
自分の肩こりの原因はなにかよく振り返ってみて、それぞれの原因にあった対処をすることが必要です。
例えば、筋肉の緊張や血行不良からくる肩こりは、もみほぐすことで改善に向かうことが多いです。
一方、末梢神経のダメージが原因の肩こりは動かすと痛みがひどくなり逆効果となることがあります。まずは神経の傷を修復することが必要です。
原因を知ることが肩こりを解消する第一歩なのです。