スマホやパソコンの画面をずっと見ていて、目がしょぼしょぼ、チカチカ…。
何をするにもスマホ、パソコンが手放せない現代人は目が疲れやすいのかもしれません。
デスクワークをしていると気になることが多い目の疲れですが、ほとんどの人が同時に肩こりも感じているはず。
目の疲れと肩こりには深い関係があるようです。
肩こり対策は日ごろからしているけど、一向に改善しないという方!
もしかしたらあなたの肩こり、目の疲れが引き起こしているのかもしれませんよ。
目の疲れを吹き飛ばす「目の体操」やその他の対策をご紹介します。
目の疲れは肩こりの元!
肩こりはさまざまな原因によって引き起こされますが、なかでもディスプレイをつかった作業(VDT)中に発生することが多いことが知られています。
このように、スマホやパソコンの画面を長く見続けることで目の疲れや肩こりが発生してしまう症状は、VDT症候群と呼ばれています。
VDTの症状
目の充血・ドライアイ・充血・眼精疲労
体のだるさ・肩こり・手の痺れなど
イライラ・不安感
どうしてスマホやパソコンで目が疲れやすくなるのでしょうか。
キーワードは「近すぎる」「長すぎる」の2点にあるようです。
画面の位置が近すぎる!
スマホやパソコンは手元で操作するため、目からとても近い位置にあります。
実は人の目は遠くよりも近くを見るのが苦手な構造になっています。
遠くを見るときはピントを調整する毛様体筋の力を緩めれば良いのに対して、近くにピントを合わせるためにはこの毛様体筋に力をこめないといけません。
そのため、スマホやパソコンの画面を見るときには、外の景色を眺めているときよりも目の疲れがたまりやすいのです。
見ている時間が長すぎる!
スマホやパソコンのコンテンツは面白くボリュームがあるため、ついつい長い間見つめてしまいます。
頑張って一点を見ようとすると、目を動かす外眼筋やピントを調整する毛様体筋の動きが少なくなり、筋肉にだんだんと疲労が蓄積されていきます。
電車でつり革を握ったまま身動きしないと、だんだん体がつらくなってくるのと同じような仕組みです。
さらに集中しているため無意識のうちにまばたきの回数が減り、目の表面が乾いてしまいます。
目の表面や角膜には、デリケートな知覚神経が張り巡らされているため、乾燥が進むと「疲れた」「目を休めたい」と感じるようになるのです。
スマホやパソコンの画面など、近くを長時間見る機会が多い私たちは、目の疲れをため込みやすいのです。
このような環境は、眼だけではなく身体の自律神経機能のバランスを崩してしまいます。
また、眼の周りにある外眼筋の疲労が肩こりに発展することもあるようです。
(参考:近畿大医誌『肩こりの臨床:適切な診断と治療のために』)
眼が近いときには姿勢も悪い!
さらに目を酷使するデスクワークは同時に肩にも負担がかかっているものです。
目の疲れと肩こりの予防のために、定期的に立ち上がり体を動かすように心掛けましょう。
3つの目の体操で疲れを解消しよう
目の疲れがたまる前に、目の周りの筋肉を動かしてほぐしてあげましょう。
効果的に目の周りをほぐすことができる「目の体操」を3つご紹介します。
パソコン作業をするというときや、スマホを長時間いじっていることに気がついたときには、1時間に1回、きっちり時間をとって「目の体操」をやってみましょう。
ウインク体操
左右交互にリズミカルに10~20回ウインクします。
だんだんウインクのスピードを上げていきます。
一通り終わったら、今度は先ほどより強めに目をつむってウインクを10~20回繰り返しましょう。
最後に両目でギューッ、パチッと力を込めて3回まばたきしましょう。
人によってはウインクをするのが難しいことがあるかもしれません。
体質的な問題もありますが、目の周りにある外眼筋をあまり使ってこなかったことも影響しています。
ウインク体操を繰り返すことで、少しづつウインクできるようになっていきますよ。
自分のペースで行いましょう。
クロック体操
目を時計の文字盤だと思いましょう。
首を動かさないように、0時の方向を3秒間見ます。
正面に視線を戻し、今度は3時の方向を3秒間見ます。
また視線を戻し、今度は6時、その次は9時の方向を3秒間ずつ見ます。
3時の方向だったら耳を6時の方向だったら鼻を見るつもりで、思いっきり黒目を動かしましょう。
キッとにらみつけることで外眼筋を大きく動かすことができます。
ぐるぐる体操
ゆっくりと右回りに黒目を2~3周動かします。
同様に左回りにも2~3週動かします。
目のふちをしっかり見るような意識で、黒目を大きく動かしましょう。
ぐるぐる体操は目を回して気分が悪くなりやすいので、目が回らない程度のゆっくりしたスピードで行うことがポイントです。
3つの体操と合わせて、なるべく遠くを見る時間を作りましょう。
近くを見るとき、ピントを合わせる毛様体筋に力が入っています。
レンズを想像するとわかりやすいですね。
近くに焦点を作るにはレンズを分厚くしなければいけません。
人間の目でも、レンズの役割をする水晶体を押して、分厚くしているのです。
長い間筋肉に力が入りっぱなしのままだと、徐々に筋肉が凝り固まっていきます。
ピントを遠くに合わせて、毛様体筋の緊張を取り除いてあげましょう。
画面の明るさを設定して目の疲れを軽減
紙の資料に目を通していてもそれほど目の疲れを感じないのに、パソコンの画面だとすぐに目がチカチカしてしまうという人は、画面が明るすぎるのかもしれません。
スマホやパソコンが出す光が強すぎると目が疲れやすくなります。
そのため、眼精疲労を防ぐために、画面を目に優しい明るさに調整しましょう。
コピー用紙を一枚用意しましょう。
画面の横に貼り付けておいて、画面の白色が紙と同じような色味になるように明るさや色彩を設定します。
また、1時間に1回は作業を離れて遠くを見つめるようにしたり、目を温めたりするようにしましょう。
連続して目を使わないことを心がけることで、疲労感が軽減できます。
目の疲れに効果的?ブルーライトカット眼鏡
スマホやパソコンの画面から出ているブルーライトが特に目を疲れさせているといわれています。
海水浴場やスキー場といったところで目に紫外線を浴びすぎると目が痛くなることがありますが、ブルーライトはこの紫外線と波長が近い青~紫色の光を指します。
ブルーライトがたくさん出ている画面を長時間見続けると、目がダメージを受け疲れやすくなると考えられているのです。
このブルーライトへの対策として、ブルーライトカット眼鏡が広まっています。
ブルーライトカット眼鏡のレンズは普通のレンズと比べて、茶色味を帯びていて青色の光をシャットアウトします。
そのためブルーライトカット眼鏡をかけると、視界が少し茶色がかります。
この眼鏡をかけることで、目の疲れを軽減させることができるとされています。
一方、視界の色が変わってしまうので色彩を扱う人は使いにくかったり、見え方が変わってかえって目の疲れが増したという人もいます。
さらに最近の研究では紫色の光(バイオレットライト)は近眼を抑制する効果があることがわかってきました。
ブルーライトカットライトは青色だけではなく波長が近い紫色もカットしてしまうので、近眼にどういう影響を与えるのか気になるところですが、まだ研究が進んでいません。
しかし、ブルーライトをカットすることで目への負担が減ることは事実です。
一日のうち大半をパソコン作業にあてているという人には、目の疲れを軽減させる効果が期待できます。
目薬を使うならドライアイ処方のものを
眼精疲労では、目の疲れとともに、ドライアイが代表的な症状です。
目が乾燥すると、表面が傷つきやすくなったり、酸欠状態になりやすくなるため、目の疲れが取れにくくなってしまいます。
目の乾きや異物感を頻繁に感じるのなら、ドライアイの治療を行いましょう。
ドラッグストアでも保湿性のある目薬が販売されていますが、今、眼科ではドライアイに高い効果が期待できる「ムコスタ点眼液」という目薬が処方されています。
これは、市販の目薬にも入っている「ムチン」という保湿成分の生成を助ける薬です。
市販の目薬を使っているのに改善が見られないのなら、一度眼科に相談してみることをオススメします。