
鉄道ファンでなくても、函館へ、金沢へ、そして鹿児島へ新幹線で出かけたくなりますが、長時間座席に座っているとどうしても肩こりと腰痛が気になります。
そんなとき、長い移動を乗り切るための秘策をお伝えします。
新幹線だけではなく、バスや飛行機でも応用可能!
長時間移動の前にご一読あれ。
まずは座り方を確認しよう

新幹線の座席は、長時間の移動でも楽に過ごせるように工夫が凝らされているようです。
新幹線は日本の技術力の結晶といっても過言ではありません。
座席は人間工学に基づいて体への負担が少なくなるように設計されています。
ところが、それでも肩や腰の痛みを訴える声が後を絶ちません。
いったいどうしてなのでしょうか。
原因は私たちの座る姿勢にあることが多いようです。
座る姿勢は人によって癖が強く、悪い姿勢になっている人も多いもの。
そのまま長時間座り続ければ、大きな負担が背骨や腰にかかってしまいます。
次のような座り方になっていませんか?
浅く腰掛け背もたれに体を預けている。足を前に投げ出している。
腰が大きく反っている。足を椅子の下に折り曲げている。
背中が大きく丸まっている。足を前に投げ出している。
一見楽な姿勢に感じるものもありますが、このような座り方は骨盤の傾きがずれるため注意が必要です。
姿勢という観点から見ると、リクライニングを大きく倒すのもあまりおすすめできません。
東京大阪間の移動でも2時間半。
こんな姿勢で座りっぱなしだと、肩こりや腰痛になってしまいます。
では、正しい座り方とはどのようなものなのでしょうか?
正しい座り方を身に着けるコツは座骨にあります。
座骨の位置が定まれば、背筋は自然と伸びてきます。
まず深く腰掛け、膝を直角に曲げましょう。
膝は直角に曲げ、膝の真下につきましょう。
次に、上半身を前後左右に傾けて、骨盤から下に突き出している左右の座骨を探します。
座骨を見つけたら、体重を預けて上半身をゆっくり動かし、一番安定した場所を探しましょう。
この姿勢が、いわゆる骨盤の立った正しい座り方です。
長距離移動には3つのクッションを持っていこう
正しい座り方がわかっても、その姿勢を保つには体幹の筋力が必要です。
普段の座り姿勢が悪い人は、使う筋肉が違うのでなかなか正しい座り方を保つことが難しいのではないでしょうか。
そこで活躍するのが姿勢を固定するクッションです。
3つのクッションを使えば首からお尻まで効果的に体を支えることが楽になります。
1.首枕
コの字型のクッションを首の後ろからあてることで首の位置がずれることを防ぎます。
新幹線の座席にはあらかじめ首の位置に湾曲(ネックレスト)がつけられていますが、身長によって位置がずれてしまうのが難点。
座高が低くネックレストの位置が合っていないと感じている人は、首枕がおすすめです。
2.腰枕
S字カーブが描く隙間に腰枕を挟み込むことで、楽に背筋を伸ばし続けることができます。
タオルを折りたたんだものでも代用可能です。
3.座布団
お尻の後ろにクッションを入れることで骨盤の後傾を防ぐことができます。
これも、タオルを折りたたんだものでも十分に効果を発揮します。
新幹線に乗り込む際は、クッションやタオルを持ち込んで姿勢の維持に役立てましょう。
疲労感がかなり改善されるはずです。
あっという間にリフレッシュ!狭い車内でできる肩こり解消体操
いい姿勢を保てたとしても、数時間じっと動かないと体は固くなってしまいます。
座り疲れを感じたら、小まめにストレッチをしてリフレッシュすることがとても大切です。
新幹線の中ではありますが、ストレッチをして体をほぐましょう。
周りの人も肩や腰がつらいはず。
いきなりストレッチを始めても変な人だと思われることはないはず。
狭い座席に座りながらできるスモールストレッチを紹介します。
1.首のストレッチ
頭の後ろで手を組んで肘を閉じましょう。
ゆっくり顎を引き、おへそを覗き込みます。
首を左右に振るとストレッチできる範囲が変化するので試してみましょう。
2.肩回りのストレッチ
肘を曲げ、右手で右肩を触ります。
左手で右ひじを持ち、上に持ち上げます。
肘が肩の真上まで来たら10秒間キープしましょう。
反対側も同じように伸ばします。
3.腰のストレッチ
右手で右つま先を触りましょう。
お尻を椅子につけたまま、体重を右下に傾けて肩を直角に立てていくと腰の左側が伸びてきます。
反対側も同じように伸ばしましょう。
また、比較的自由に立ち上がって動き回れるのが新幹線のいいところです。
疲れがたまってきたら立ち上がって車内を散歩してみましょう。

座席の移動は周囲の迷惑にならない範囲で行いましょう。
気分次第で体感時間は変わる!
正しい座り方とストレッチ。
このふたつをマスターすれば、長い移動もかなり楽になるはずです。
あとは心の持ちようでしょう。
集中できることを見つければ体感時間がぐっと短くなり疲労感も軽減されます。
ただの移動時間だと思わず、旅先のプランに思いをはせてみませんか?
新幹線や飛行機の発達で移動の速度が飛躍的に速くなり、便利になりました。
しかしその分、私たちは一日のうちに予定を詰め込むようになってしまったようです。
かつては泊まりだった東京大阪間の移動も、今や日帰りが当たり前。
旅行にしろ出張にしろ、私たちの体は悲鳴を上げています。
正しい座り方をマスターし、体の負担を減らしてあげましょう。