ブスリッ。
身体中に針を突き立てる鍼(針)治療。
見た目のインパクトは抜群です。
身体に針を刺すなんて!しかもあんなにたくさん!
いままで一度も受けたことがない人には、ちょっと挑戦しづらいイメージがあるかもしれません。
漢字の「辛」の字は、実は針をかたどった象形文字です。
まさか針で刺した痛みが「つらい」感覚のもとになっているとは!
でも、身体の不調に対して鍼は効果的な治療方法なんです。
もちろん肩こりで悩んでいる方にも。
針で刺しても痛くない
少し揉んだだけで「いたたたたっ!」と叫んでしまうほどガチガチに固まった筋肉は、セルフマッサージでほぐしていくのは簡単ではありません。
そんな、痛みを出すほど硬いこりをお持ちの方におすすめしたいのが鍼治療です。
でも、きっと今まで一度も鍼を受けたことがない人は、ちょっと身構えてしまうのではないでしょうか。
同じく針を使う注射はとっても痛いので、針に対して恐怖心を持つのも無理はありません。
ブスリと刺してツーッと血が抜かれていく様子は想像しただけで血の気が引きます。
しかし、鍼治療と注射では、使う針の種類が全く異なります。
鍼治療のイメージ写真で、針を刺したところから血が出ているのを見たことがありますか?
鍼治療による出血は3%以下といわれています。
鍼治療で使われている針はほとんどの場合で血が出ないほど細かいものなのです。
鍼治療で使われる針は直径0.12mm~0.44mmの極細針。
これは採血用の注射針(0.80mm)の半分以下という細さです!
髪の毛の直径が0.15mmほどなので、いかに細いかがよくわかります。
髪の毛ほどしかない極細針なので、実際には刺してもほとんど気が付きません。
たいてい目にタオルがかけられて、刺す瞬間は見えないようになっています。
しばらく横になっていてもなかなか刺してこないので、
「いつ刺しますか?」
「もう刺さってますよ。」
「ええっ!」
なんてことも。
こりがひどいところでは少し刺激を感じますが、注射針のような痛みではなく、マッサージでこりをほぐすような痛み。
目で確認しなければ、とても針で刺されているとは思えない感覚です。
エステサロンでマッサージしてもらっている気分で、リラックスしているといつの間にか終わっています。
鍼治療は針山のようにめった刺しにされる見た目とは裏腹に、誰でもリラックスして受けられる治療なんですよ。
身体のバランスを整える鍼治療
鍼治療には、針を刺した後針を回したり振動させてすぐに抜く「単刺」、針を刺した後10分程度放置する「置刺」、針を通して電気的刺激を与える「電気鍼」といった方法があり、治療の目的によって使い分けられます。
日本鍼灸師会では、鍼灸治療が有効な病気としてさまざまなものを紹介しています。
詳しくはこちらを参照ください。
諸説ありますが、日本鍼灸師会のHPでは、身体の深部に刺激を与えて修復力を活性化させるのではないかとしています。
筋肉の緊張をほぐす鎮静効果もしばしば紹介されるの鍼治療の効果のひとつで、肩や腰など筋肉のこりへの対処にも適していると考えられます。
鍼治療ではたとえ肩こりの症状であっても全身を調べます。
東洋医学では内臓と全身の各所が反射路でつながっていると考えます。
足つぼの図で肝臓や胃腸に効くエリアが描かれているのと同じような考え方です。
右肩のほうが肩こりがひどいという場合でも、右肩だけを調べるのではなく、左右両方、そして体全体を調べていきます。
全身のバランスを整えながら不調を軽減していくので、原因がいまいちわからない、根本から何とかしたいという人にぴったりだといえるでしょう。
いままでちょっと怖いな、と思って倦厭していた人も一度試してみては?