デスクワークの時間が長い人の中には、背中が凝って仕方がないという人が少なくありません。
実際に背筋に沿って指で押してみると、何か入っているんじゃないかと思うほどゴリゴリに硬まった部分を見つけてしまうことがあります。
当然、こんなに凝り固まってしまったらもやもやとした疲労感がいつまでも抜けず、定期的に整体でほぐしてもらうことを心待ちにしているという人もいることでしょう。
でも、本当は凝りがひどくなる前に小まめにケアすることが大切なんです。
疲れを感じたらすぐできる背中のストレッチ方法をご紹介します。
デスクワーカーは背中が硬い!
そもそも背中は凝りが集中しやすい場所だといえそうです。
背筋には背骨を挟んだ両脇に首の付け根から腰まで脊柱起立筋という筋肉が伸びていますが、その役割は名前の通り背骨を引き起こして姿勢を支えること。
他にも広背筋、多裂筋など姿勢を支える上で重要な筋肉がたくさんあります。
上半身の重さを常に支えているのでもともと負担がかかりやすい部位ですが、最近これに拍車をかけているのがスマホやパソコンの使用時間の増加です。
画面を覗き込むように頭が前にせり出すことで、背中側にある筋肉は引き伸ばされながら力を出すことになり、ますます疲れやすい状況にあるといえます。
とくに座りながらこれらの機器を使って作業をする人は身体を動かす機会も減少してしまうため、ストレスが同じようなところにかかり続け、結果的に張り感や痛みといった不調にまで発展してしまいかねません。
どんな姿勢をしていると背中が固くなりやすいのでしょうか?
最も背中への負担が大きいのは明らかに背中が丸まっている「猫背タイプ」です。
女性に多い「胸反らしタイプ」も要注意で、2つの悪い姿勢の共通点は坐骨を使って座れていないということです。
ただし良い姿勢をしていたとしても、座りっぱなしで長時間動かないでいると筋肉は硬くなってしまいます。
一番大切なことは、時間を作ってちまちまと身体を動かすことなのです。
その1 見るからに負担が大きそうな 「猫背タイプ」
最初に思いつくのは背筋が極端に曲がってしまった猫背タイプ。
キーボードの操作に夢中になるあまり、自分で思っている以上に前のめりになってしまっている人も多いようです。
また、お尻を前にずらして背もたれに大きく寄りかかる姿勢もこの猫背タイプに分類できます。
猫背タイプの人が固まりやすいのは、首から腰にかけて伸びる背筋の広い範囲と肩甲骨の周り付近。
骨盤が傾く癖がついてしまっているのでお尻の筋肉もストレッチが必要です。
その2 一見姿勢が良いように見える 「胸反らしタイプ」
次に背中のコリに要注意なのが胸を反らして一見良い姿勢に見せている「胸反らしタイプ」。
良い姿勢との見分け方は、(1)お腹が机に寄りかかっている(2)脚が椅子の下にもぐりこんでいる(3)いつも腰の部分が疲れている。
坐骨で上半身が支えられていないので、背中の下の部分からお尻までが固くなりやすいのが特徴です。
“かゆいところに手が届く!”背中のストレッチ
では、背中の凝りを解消するにはどうすれば良いのでしょうか。
背中は疲れによる違和感が出やすい部位なのに手が届きにくく、手足に比べてセルフストレッチも簡単ではないので自力でケアすることを半ば諦めてしまっている人もいるかもしれません。
定期的な整体でコンディションを整えるというのももちろん解決策の1つです。
ですが本音を言えば、疲れを感じたらその場でなんとかしたいはず。
確かに背中はストレッチしづらい場所ですが、自力でできないというわけではありません。
オフィスや自宅ででもできるストレッチ方法で小まめにケアすることで、大きなトラブルを予防することにもつながります。
○オフィスでできる背中のストレッチ
硬くなってしまった後よりも、まだ柔らかいうちの方がケアが簡単です。
そのため、凝りは気になったときがほぐしどき。
座ったままでもできる動きの小さなストレッチを知っておきましょう。
・背中の上半分を伸ばすストレッチ
身体の前で両手を組み、肘を外側にむけながらまっすぐ遠くに伸ばしていきます。
そのまま背中を丸めていきましょう。
さらに伸ばしている手を左右に傾けることで背中の左右をストレッチすることができます。
・背中の下半分を伸ばすストレッチ
膝が直角に曲がる高さの椅子に座り、右脚を左脚の太ももにかけます。
左手で右足の膝をつかみ、そのまま上半身を右へひねります。
反対側も同じようにストレッチしましょう。
○自宅でゆっくりほぐす背中のストレッチ
自宅ではじっくり時間をかけてストレッチしましょう。
筋肉を緩めていくためには20秒~30秒は時間をかけてストレッチし続ける必要があります。
入浴後にテレビを見ながらするなど日常動作と結びつけて習慣化してしまうと続けやすいのでおすすめです。
・背中を横方向に伸ばすストレッチ
うつ伏せで寝転がり、両脚を肩幅に広げ、さらに片腕を上に、片腕を横に広げます。
そこから横に広げた腕を真上に持ち上げ、反対側の床まで回します。
目線は手先を見るようにしましょう。
上半身全体をひねったまま20秒~30秒ゆっくり呼吸をしましょう。
反対側も同じように繰り返します。
・背中を縦方向に伸ばすストレッチ
仰向けに寝転がり、腰を持ち上げて膝が顔の目の前に来るように背中を丸めましょう。
肩は床から浮かさないようにしながら、そのまま20秒~30秒ゆっくり呼吸をしましょう。