職場のエアコンが稼働し始めるこの季節。
猛暑の夏が増えてきたことが影響しているのかはわかりませんが、28度というエアコンの設定温度に不満を持つ人が多いようです。
2017年春には、
「28度設定は不快」
として、クールビズの目標室温をもっと低い温度に見直す動きも。
今後は26度、25度といった設定温度が一般的になっていくかもしれません。
代謝のいい人にはうれしい知らせかもしれませんが、冷え性に悩む人々にとっては「うーん……」と考え込んでしまうような話です。
特に冷えへの対策が必要かもしれない、今後の夏。
一口に冷え性といっても、原因はいろいろあり、生活習慣が影響しているものから、危険な病気の可能性だって考えられます。
的確に対処するために、まずは自分のタイプを把握しましょう。
「冷え性」男性も要注意
冷え性というのは明確な病気ではなく、「体が冷えてつらい」と感じる症状の総称のことをさしています。
一般的に、熱を生み出す筋力が少ない女性特有の症状だと思われがちです。
ところが、インターネット通販大手のニッセンの調査では、自分が冷え性だと認識している人は男女を合わせても全体のおよそ6割(女性66.6%、男性43.2%)にも上り、女性はもちろん男性でも「冷え性」だと感じている人が多いことがわかりました。
現代型の冷え性は、決して女性だけの問題ではありません。
冷え性の要因は?
では、どのような要因が体の冷えを引き起こしているのでしょうか?
女子大生へのアンケートでは、冷え性を自覚している人は、同時に肩こり・不眠・頻尿・月経痛などに悩んでいる人が多く、いくつかの症状を併せ持っていた人も多くいました。(参考:石川看護雑誌2012 vol.9「女子大生のひえの苦痛とその要因の検討」)
肩こり・不眠などの症状は、自律神経症状です。
つまり、自律神経のバランスが崩れている傾向が強い人は、冷え性になりやすいということができそうです。
また、別の調査では冷え性を発症するのは20歳~25歳が最も多く、年齢を重ねるにつれて苦痛に感じるようになるという結果が出ています。
20歳から25歳は進学や就職などの時期と重なり、精神的なプレッシャーが増すころです。
精神的因子が自律神経に影響を与えている可能性があるかもしれません。
痩せ型の人に冷え性が多いことは良く知られていますが、それだけではなく、糖質や脂質が多いのに、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足している食生活は冷えを導いてしまうという報告もあります。
冷え性を自覚している人は、やはり厚着をしたり、エアコンの使用を控えたりしているようです。
しかし、こうした対策を採っているにもかかわらず、冷えの苦痛に悩まされている人が多くいます。
体を冷やさないように厚着をしたり、エアコンの風に当たらないように気をつけたりすることはもちろん大切ですが、それよりも「ストレス」や「食事」に気をつけ、規則正しい生活を送ることが一番大切なのかもしれません。