「夏なのに体が冷えて困っている」
こんな悩みを抱えているあなたは、生活習慣のちょっとしたところに原因が隠れているのかも。
というのも、体の冷えと密接にかかわっている体温のバランスは生活習慣のちょっとした差で大きく変わってしまうためです。
1日の生活を振り返って、体温のバランスを崩してしまう「冷え習慣」を改善していきましょう。
その習慣は体を冷やす!生活習慣をこう変えよう
冷え性の多くは体を冷やす習慣や、血液の流れの滞りで引き起こされていると考えられています。
まずは規則正しい生活を心掛け、血行を阻害してしまう交感神経の緊張を取り除くように心がけましょう。
また、ストレスも血液の流れを悪くしてしまいます。
生活習慣の見直しと、心身ともにリフレッシュできる新たな習慣作りが夏の冷え性対策において大切なことだといえるでしょう。
〇朝の1杯はコーヒーから白湯へ
「1日のはじまりはコーヒーで目を醒ます」という人も多いはず。
ところがコーヒーには利尿作用があり、尿と一緒に体温を下げる一因になってしまうことがあります。
また、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは交感神経を刺激し、体を緊張させてしまうことも。
朝起きたら、まずは白湯を飲むようにすると体が温まります。
白湯とは、一度沸騰させたお湯を50~60度まで冷やしたもの。
ほかにも、ショウガ湯などが体をよく暖めてくれます。
暑い日には冷えた飲み物をたくさん飲みがちですが、内臓冷えの原因になるのでなるべく常温か温かいものを飲むようにするといいでしょう。
〇通勤通学はだらだら歩きから早歩きに
女性が男性に比べて体が冷えやすい原因の一つに、筋肉量の少なさが挙げられます。
特に下半身の筋肉は比率が高く、たくさんの熱を作っている部分。
運動不足で下半身の筋肉が不足すると、冷えやすく温まりにくい体になってしまいます。
通勤通学で歩く時間は、貴重な運動ができる機会です。
だらだら歩くのではなく、大股・早歩きにチェンジして熱を作り出す時間にしましょう。
椅子に座ってかかとを上げる運動(ふくらはぎを使う)や、膝から下をまっすぐ持ち上げる運動(太ももを使う)も併せて行うと筋力アップに効果的です。
冷えが気になったときに、やってみるといいでしょう。
〇服装は「3つの首」の防寒を意識して
夏だからといって、足の大部分が露出するような薄着は体温を下げる要因になってしまいます。
特に首・手首・足首の3つの「首」には太い血管が体の表面から近いところを通っているため、露出すると血液が冷えて、冷えが全身に広がってしまいます。
3つの首を冷やさないようにすることが大切です。
首元が大きく開いた服装を避ける、長袖や長ズボンを選ぶ、靴下はくるぶし丈ではなく長いものを使うなどを心がけましょう。
また、冷えの予防には下半身を重点的に保温すると効果的。
足元は心臓から遠く、血の巡りが滞りがち。
そのため、冷えの多くは足元からやってきます。タイツ、ストッキング、スパッツなどが効果的ですが、服装を自由に選べない場合、ひざ掛けを活用するなどで対応するといいでしょう。
夏は外気温と室内の気温差が大きいと体温調整がうまくいかないことが原因の不調が起こりやすくなります。
冷房が効いた室内ではカーディガンやストールを一枚羽織るなど、体感温度があまり変わらないような工夫で対策をする必要があります。
〇熱いお風呂からぬるいお風呂に
体の冷えが気になる人は、温まろうと熱いお風呂に入りがち。
ところが、冷え対策では38~40度程度のぬるめの全身浴で長時間浸かるのがポイント。
熱いお湯よりも緊張が緩みやすく、ぽかぽかのまま眠りにつけます。
〇お休み前のリラックスタイムはスマホチェックから集中できる手作業へ
ストレスを解消し、体の緊張を取り除くためには、良質な眠りが必要不可欠。
寝る前に体をオンモードからオフモードに切り替えるリラックスタイムを作りましょう。
手編みや塗り絵など、それだけに集中できる手作業がおススメです。
頭を一度空っぽにすることでストレス解消になり、その後眠りにつきやすくなります。全身くまなくストレッチするのもおススメ。
一方、寝る直前のスマホチェックは頭を活性化してしまうのでNGです。
冷えているときは呼吸を深くして
この他にも、就寝時はレッグウォーマーを使うなどが足の冷えを予防するのに効果的。
締め付けの少ない衣服を選ぶことで、血行の不良を予防できます。
もちろん食事内容の見直しも必要です。
体を冷やしてしまうアイスクリームや、栄養が偏りがちなインスタント食品を控え、熱エネルギーのもとになるたんぱく質や血行を促進するビタミン群を積極的に摂取しましょう。
食事はなるべく冷たいものを避け、体温以上のものを食べるのがいいでしょう。
おしまいに、体が冷えているときに効果を発揮する腹式呼吸について紹介します。
腹式呼吸は心身ともにリラックスできるので、体の冷えの原因にもなるストレス解消に効果的。ポイントは鼻から吸って口から吐くことです。
ゆっくり4秒かけて息を吸い、8秒かけてお腹の中の空気をすべて吐ききりましょう。
腹式呼吸を習慣にすることで、体の力は抜けやすくなります。
また、このとき手を太ももに当て、手のひらの体温を感じながら行うと、より緊張がほどけやすくなります。
イライラしたら深呼吸するようにするといいでしょう。
夏の冷え性対策のポイント
1.体を冷やさない服装を!
首・手首・足首の露出をなるべく避けましょう。
冷房の効いた室内では、足掛けをかけたり、カーディガンを羽織ったりして防寒対策を。
体をきつく締めあげる服装は控えましょう。
2.体を温める食事を!
熱を作るたんぱく質を積極的に食べましょう。
冷たいものを食べすぎず、飲み物はなるべく常温以上の温度で。
3.適度な運動を!
下半身の筋肉を鍛え、足元の冷えを予防しましょう。
冷えを感じたときにも小まめに動かすことで、血流アップ。