進行するとつま先立ちができなくなる?意外と多い大人の扁平足とは

長く歩いたり、立ったりしていると人よりも疲れやすい。

足の裏が引き伸ばされるような違和感がある。

こんなお悩みを持つあなたの足はもしかしたら扁平足かもしれません。

扁平足は土踏まずがつぶれて地面に着いてしまう足の変形で、変形が進行するとつま先立ちや正座が困難になることも。

生活習慣の変化から、日本人の間で増えているといわれている扁平足。

あなたの足は大丈夫ですか?

今すぐボールペンを使った簡単チェックで確認してみましょう。

大人の扁平足、筋力の低下が原因

生まれたばかりの赤ちゃんの足裏をよく見てみると、土踏まずがなく、みんな平らな足であることがわかります。

これは本来土踏まずがある部分に脂肪があり、くぼみが埋まっているためです。

筋肉や靭帯が発達してくる2~3歳程度になると次第にくぼみがはっきりしてきますが、まだ筋力が弱いため、立ち上がったり歩いたりして体重がかかると土踏まずがつぶれ扁平足が起こります。

このような子供の扁平足は、走り回ったり、跳ねまわったりといった運動が活発になる5歳ころまでに解消されていくのが普通です。

大人の扁平足でも子供の場合と同じように、筋肉や靭帯が弱く土踏まずが自らの体重を支え切れなくなった場合に起こります。

近年、日本でも食生活の欧米化で肥満の人が増えた一方、運動不足の傾向が強いことから、大人になってから足の変形が起こる成人期扁平足(せいじんきへんぺいそく)が増えています。

また、膝が内向きに傾くX脚は、体重が土踏まずの部分に集中してかかりやすいため若いうちから扁平足になりやすいことが知られています。

また、歩き方によっても扁平足を引き起こしやすくなります。

私たちの足は、つま先を上に曲げるとアーチが強調され高くなります。これを『巻き上げ機現象』といいます。

もし、あなたが着地時につま先をあまり上げない歩き方をしているのなら、巻き上げ機現象があまり働かず、アーチの低い扁平足になりやすいでしょう。

着地時に土踏まずまでべったりと地面に着いてしまい、扁平足と同じ状態になるためです。

このような変形が継続して起こることで、扁平足と同じように足裏の痛みや圧迫を感じやすくなってしまいます。

そのため、足先の硬い靴やハイヒールは扁平足を引き起こしやすい履物なのです。

アーチチェックで扁平足を簡単チェック

扁平足は、具体的には後脛骨筋(こうけいこつきん)という足のアーチを支える筋肉が弱くなり、くるぶしの内側にある舟状骨(しゅうじょうこつ)が下に落ち込んで、土踏まずのアーチが崩れてしまった状態です。

衝撃に強いことが知られているアーチ状の構造が崩れると、通常は圧力がかからない骨や筋肉にまで衝撃が加わり、足の裏のさまざまな部分に大きな負担がかかってしまいます。

長時間立ったり、歩いたりしたときに、足の裏がだるくなり座りたくなるのは扁平足の代表的な症状だといえるでしょう。

また、扁平足になると土踏まずの部分通常よりも大きな体重がかかるため、親指側への負担が増え外反母趾を引き起こしやすくなるといわれています。

多くの場合で痛みが現れないため、なかなか気が付きにくい扁平足。

ボールペンを使ったチェックでアーチの状態を確認してみましょう。

ボールペンで簡単チェック

土踏まずの隙間にボールペンが入るかをチェックしましょう。

ボールペンを土踏まずの下に置いたとき、踏んでしまうのならアーチが低い状態だといえます。

座っているときには土踏まずがはっきりしていても、立ち上がって体重がかかるとつぶれて扁平足気味になることがあります。両足で立った状態で確認するようにしましょう。

また、朝と夕方で土踏まずの高さが変わるということも考えられます。チェックは症状が出やすい夕方に行うといいでしょう。

他にもこんなことに気づいたら要注意

〇最近つま先立ちができなくなってきた

〇同じ靴なのにつま先が当たるようになってきた

つま先立ちができなくなるのは扁平足のよくある症状。

また、土踏まずがつぶれると足が長くなるので、扁平足の人は1つ大きなサイズを選ぶ傾向があります。

進行すると正座も困難に

扁平足は一般的には足が変形する以外には無症状ですが、長い時間立ったり歩いたりした場合に疲れる、足裏の圧迫感や痛みが出る、頻繁に座りたくなるといった不調を感じやすくなります。

この状態は、足裏の機能を高める筋力トレーニングによって改善することができるとされています。

たとえば、ビーチサンダルを履くことでアーチを高めることができます。

少し痛む程度のうちに、土踏まずのアーチを補強する靴の中敷きを使用したり、足裏のトレーニングを実施したりといった対策が必要です。

たかが扁平足、と思わずに変形が少ないうちからしっかりと対策を行っていきましょう。