60越えたら「粗食が健康的」は間違い

治療院の掲載料0円

60歳を過ぎたら痩せすぎに注意!若々しく生きる食事の極意

日本人の寿命はまだまだ伸びていますが、そのうち元気で自立した生活を送れる期間というのは男女とも10歳程度短くなっています。寿命まで若々しく生き抜くということはなかなか難しいのが現実のようです。

 
体を衰えさせてしまう理由の一つが低栄養です。食べる量が少ないために、特に筋肉が衰弱して自立できなくなってしまうのです。筋肉が衰えてしまった人は手足が細く、足腰も弱くなり、これをサルコペニアと言います。サルコペニアは一般的に、60歳以上の15%~30%だと言われています。該当する年齢の方は、一度自分が低栄養に陥っていないか確かめてみましょう。

60越えたら「粗食が健康的」は間違い

映画館


高齢者が低栄養に陥ってしまう理由の一つに、粗食が健康的だという思い込みがあるようです。現代は飽食の時代ですから、生活習慣病が寿命を縮める大きな要因になっています。糖質を摂り過ぎれば糖尿病に、たんぱく質を摂り過ぎれば通風に、脂質を摂り過ぎれば肥満や高脂血症にという風に、食べ過ぎはいろいろな病気を引き起こしてしまいます。

 
ところが、高齢者が要介護状態に陥ってしまう原因を項目別に調べてみると、要支援1・2のようないわゆる介護の入り口に入っていってしまう理由は、「高齢による衰弱」「関節疾患」「骨折・転倒」が約半数を占めていることがわかっています。これらはサルコペニアの状態で、筋肉が衰えてしまったことで身体が思ったように動かないことが背景にあるものです。

 
つまり、高齢者では低栄養が要介護状態の入り口になってしまっているのです。また、サルコペニアの人は病気やケガなどに弱く、その治療においても合併症や副作用が多くなることがわかっています。粗食が健康的だというのは高齢者では必ずしも当てはまらないのです。


たんぱく質摂取のすすめ


実はサルコペニアは女性より男性の方が年齢とともに顕著になってきます。その理由の一つがたんぱく質の摂取量の減少です。

 
厚労省の調査では、摂取量のピークとなる15~19歳男子と70歳以上で比べると、男性の方が女性よりも摂取量の差が大きくなっています。男性の方が元の筋肉量が多いのでたくさんたんぱく質が必要ですが、歳をとると必要ないと考えてしまう人がいます。ですが、サルコペニアを防ぐためには、筋肉を維持するためのたんぱく質が必要なのです。

 
たんぱく質を上手に摂取する方法をまとめました。今日から実践してみましょう。

 

若々しく生きる食事の極意

○たんぱく質スコアの高い食品を
大豆のような植物性のたんぱく質の方が健康的、あるいは肉の方が筋肉に変わりやすいと思われがちですが、どんなたんぱく質であっても一度アミノ酸まで分解されてから吸収され、身体の中で再びピースを組み合わせて必要なたんぱく質を合成するので差はありません。

 
ただし、アミノ酸の中には人間の身体の中でも作れない種類があり、これが不足すると必要なピースが揃わないのでたんぱく質が合成できなくなってしまいます。この必須アミノ酸の含有量を数字で表したのが「アミノ酸スコア」というもので、大豆や肉、卵も100点満点です。一方、穀類にもたんぱく質が含まれていますが、含まれていないアミノ酸があるのでスコアが低くなっています。アミノ酸スコアが高い食品を食事に加えてたんぱく質が不足しないようにしましょう。

 
○朝ごはんからしっかりした食事を
体は血中の糖をエネルギーにして活動していますが、これが枯渇すると糖新生といって筋肉のたんぱく質を分解して糖を作り出します。ですから昨日の晩から何も食べていない朝には、速やかに食事を補給するべきです。

 
朝は食欲がなくて食べられないという場合は、水に溶かすタイプやゼリータイプのプロテインが飲み込みやすく非常におすすめです。スポーツをする若者用だと思われがちですが、吸収が良いため高齢者でも効率的にたんぱく質を摂取できます。

 
○食べ過ぎは無駄になる
ここまでの話から、たんぱく質は食べれば食べるだけ良いという感想を抱いてしまいそうですが、たんぱく質は常に分解と合成を繰り返しているので1度に大量に摂ってもためることはできず、無駄になってしまいます。ですから、3食でバランスよく摂取することが非常に大切なのです。

 
1日の目安は体重の数字にgをつけた量で、例えば体重が60kgの人なら60gです。これを3等分して1食当たり20gを目安にしてください。これはステーキだと100g、から揚げだと3個、たまごだと1個半に相当する量です。高齢者になると吸収する力が落ちてしまうので、もう少し多めに摂取するように心がけるようにするといいでしょう。

 
○体を動かさないと筋肉は増えない
当たり前のことですが、筋肉を増やすためにはたんぱく質をたくさん食べるだけでは不十分です。摂取エネルギー量を増やすこと自体にも意味がありますが、やはり筋肉を維持していこうと考えたら、体を動かして筋肉を刺激する必要があります。体を動かせばその分ご飯をおいしく感じるので、良いことだらけです。

 
人間、生きがいを感じるのはおいしいものを食べたときと人と楽しい時間を過ごしているとき。低栄養にならないように心がけた上で、好きなことをして体を動かすことがいつまでも若々しく過ごすための近道なのです。


その他の特集記事はこちら