老化の原因は?

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【健康コラム】どうちがう?老化の2大キラー「酸化」と「糖化」

科学が進歩しても人間の考えはあまり変わらないようで、不老長寿はいつの時代でも人類の悲願です。有名どころでは、秦の始皇帝は不死を得るために水銀を飲んだといいますし、日本最古の物語とされる竹取物語にも不老不死の薬が登場します。

 
不老長寿を得るために昔の人はいくつもの失敗を積み重ねてきましたが、そのおかげで現在の科学や生物学があります。邪な心があったからここまで科学技術が急速に進歩したといえば少し大げさでしょうか。

 
さて、科学の力によって老化のメカニズムは昔に比べてだいぶ解明されてきました。それによると「酸化」とか「糖化」というものが私たちの身体を老け込ませているようです。二つの違い、わかりますか?

酸化は身体の“サビ”

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私たちは絶えず呼吸をしていないとたちまち死んでしまいます。生きるために酸素が必要だからです。しかし、同時に酸素は酸化反応を起こしてものの性質を変えてしまう物質でもあります。例えば、放置していた自転車がサビついてしまうのは鉄に酸素分子がくっついて酸化してしまったせいです。

 
酸化は私たちの身体の中でも起きていて「酸化ストレス」と呼ばれています。いわば身体の中にできる“サビ”というわけです。酸化は身体のあちこちで絶えず起こっていて、例えば酵素が酸化ストレスを受けると元の働きを失ってしまいますし、DNAが酸化で壊されると細胞死やガン化につながります。こうして徐々に身体の各所の細胞を傷つけていくことで、気がついたら目に見えるほど老け込んでいってしまうのです。

 
もちろん私たちの身体は酸化をただ見ているだけではありません。呼吸を止めるわけにはいかないのですから、何の抵抗力もなければあっという間に体中がサビサビです。私たちの身体の中には酸化ストレスから身体を守る仕組みが備わっていて、酸化と上手くバランスを取っています。ところが、過度な運動やストレスで参加ストレスが増えたり、加齢や乱れた食生活などで抗酸化力が衰えたりすると、酸化の方が抗酸化力を上回り老化が進んでしまうのです。


糖化は身体の“コゲ”


トーストやステーキを焼くとこんがりきつね色をした焦げ目がついて、美味しそうな香りが漂います。これは糖質やたんぱく質が結びついて起こる化学反応の1種でメイラード反応というものです。糖質やたんぱく質の種類によっていろいろな香りが楽しめますが、その結果出来上がるのはたいてい黒っぽい物質ですね。メイラード反応の結果できた物質をまとめて私たちはコゲと呼んでいます。

 
実はメイラード反応は私たちの身体の中でも起きていて、AGE(終末糖化産物)という物質を作り出しています。これが糖化の正体です。メイラード反応の結果できたものだから、糖化は身体の“コゲ”と呼ばれています。

 
AGEは内臓をはじめとする身体のいろいろなところに作用して、多くの病気の原因になってしまうことが知られています。たとえば血管の壁が糖化すると炎症が起こりやすくなり、動脈硬化のリスクが増えます。

 
それだけではなく、肌が糖化でダメージを受けるとしみやしわの原因になり、髪が糖化でダメージを受けると髪のハリツヤが失われてしまいます。食生活を豊かにしてくれるメイラード反応ですが、身体の中で起こるとなかなかの厄介加減です。


酸化、糖化を防ぐには?


身体にAGEができやすいのは血糖値が上がっている間。つまり食後の1時間程度です。糖化を抑制しようと思ったら食後血糖値が上がり過ぎないように心がけることがポイントなので、糖尿病の予防と似ています。食事は野菜のような食物繊維が多い物から食べるようにしてごはんは後から食べる、間食は炭水化物を避け果実やたんぱく質が主体のものにする、などが考えられる対策です。

 
酸化の対策では、酸化と抗酸化力のバランスを崩さないように、年齢と共に衰える抗酸化力を維持することが大切です。抗酸化力を高めるには運動を続けるのが効果的。運動で酸素の消費量が増えると酸化ストレスが増えますが、続けていると身体が順応して抗酸化力が高まるのです。また抗酸化力の高いビタミンA、C、Eを含んだ野菜類をたくさん食べる食生活を心がけたいものです。

 
これまでの人類史上、不老不死を成し遂げた人は筆者の知る限りいないはずです。ですが、100年前に比べてずいぶん長生きになりましたし、60代、70代でもまだまだ活き活き活動している人もずいぶん増えました。昔の人が見たら、きっと不老長寿が実現されたと感じるのではないでしょうか。


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