遺伝子検査でアルコールリスクをチェック! お酒と上手に付き合う最新知識
皆さんは「自分はお酒に強いのか?弱いのか?」と、疑問を持ったことはありませんか?
お酒に強いか弱いか、それは人によって異なります。では、何がそれを決めるのでしょう。お酒を飲み慣れているから?
いいえ、違います。
ヒトに組み込まれた「遺伝子」がそれを決めているのです。「遺伝子なんて言われても、分からないよ」と、思った方、ご安心を。
今は、「遺伝子検査」が、すべてを解決してくれます。しかも、手頃な価格で自分の遺伝子について調べられるようになりました。今回、遺伝子検査を特にアルコール(お酒)に着目してご紹介します。
目次
そもそも日本人はお酒に強いのか?弱いのか?
世界から日本人は、どうやらお酒好きだと思われているようです。
日本ほど、お酒が宣伝され、人の目に付く場所にお酒がある国はないとのこと。では、私たち日本人は本当にお酒が強いのでしょうか?
結論から言うと「弱い」です。
遺伝子型とアルコールの強さの関係を人種別に言うと、日本人を含むモンゴロイドという人種で、アルコールに強い人(遺伝子型でNN型と言う)の割合は56%。
一見すると、半分以上の人はお酒に強いじゃないかと、思うかもしれません。
ですが、同じように、黒人と白人アルコールに強い人の割合は、驚異の100%。
遺伝子的に、アルコールに弱い人は限りなく誰もいないのです。逆に日本人の40%がこれに該当します。
つまり、アルコールに強い人の割合が半数を超えていても、日本人はお酒(アルコール)に「弱い」と結論づけることができます。
そして、遺伝子検査は、自分がどの遺伝子型に属するかが分かるのです!
自分はお酒(アルコール)に強いと思っている方こそ要注意!!

お酒を飲むと、アルコールは胃や小腸で血液に溶け込み、肝臓に送られます。
そこで「アセトアルデヒド」という「酔いの原因物質」に分解されます。
その後、ALDHと呼ばれるアセトアルデヒドを分解する酵素が働き、無害な酢酸に変え、体内を巡るうちに水と二酸化炭素に分かれ、汗や尿、呼気によって体の外へ排出していくという流れです。
つまり、アルコールが体内に入り、外に出るまでの分解速度の違いが、お酒に強いか弱いかを分けるのです。
そして、それは大きく3種類の遺伝子の型が関わります。
NN型(活性型)→俗に言う「酒豪」タイプ
ND型(低活性型)→お酒を飲むことができるタイプ
DD型(不活性型)→俗に言う「下戸」タイプ
このなかで最も注意が必要なのがND型をもつ人です。
ND型は、お酒に強い遺伝子と弱い遺伝子、両方をもっている人を指します。はじめはお酒が飲めない(下戸)に近い状態だが、飲酒が増えるにつれ、強くなっていくタイプであり、「自分はお酒に強い」と錯覚しがちなのです。しかし、ここで気づいておきたいことは
・ND型はアルコール分解速度がNN型に比べ16分の1と、圧倒的に遅いこと。
・本質的には、アルコール(お酒)に耐性がない、NN型の遺伝子をもっていること。
分解しきれず体内に残ったアルコールは「二日酔い」を引き起こします。ND型タイプの人が、この状態に陥りやすい傾向があり、深酒をしがちです。
アルコールが分解されるまで、肝臓は働き続けます。
肝臓に負担がかかった状態が続くと「肝硬変」という肝臓が死ぬ病気を引き起こすリスクは増加するのです。
最悪の結果にならないために、遺伝子検査によって、自分の遺伝子型を理解し、適切なお酒の飲み方をしなくてはならないことがおわかりいただけたと思います。
そもそも遺伝子検査とは?

そもそも「遺伝子」は、私たちの体を作っている部品のようなもので、運動能力や個性など、あらゆる情報が記憶されています。
本来、遺伝子検査は、染色体や遺伝子の変異、遺伝性の疾患や薬の副作用の有無を調べるために用いられていた検査でした。
現在もその目的を含みつつ、がんや病気のかかりやすさを遺伝情報から調べるといった、「予防医学」の点から遺伝子検査の人気、注目度が高まっています。
遺伝子検査が手軽にできる時代に

本来遺伝子を隅から隅まで調べる場合は、費用が未だに数万円~数十万円を要します。
しかし、アルコール耐性の遺伝子検査のように、数個から10個ほどの遺伝子を検査する方法であれば、1万円以下で受けられる場合がほとんどです。
アルコールだけでなく、肥満、肌や筋肉のタイプなど、それぞれの遺伝子に関するあらゆることを現在は気軽に検査を受け、知ることができるようになりました。
アルコールの遺伝子検査を受ける方法
まず、専用の遺伝子検査用キットを購入します。
付属の綿棒で口の中、頬の内側をこすって粘膜を採取します。
申込用紙に必要事項を記入し、それらを専用の封筒に入れて投函。どれだけ遅くとも、1か月以内には、結果が自宅に郵送されるようです。簡単に誰でもおこなえます。
まとめ
いかがでしたか?今回は、アルコールに関する遺伝子検査についてご紹介しました。
「自分はお酒に強いのか、弱いのか分からない」と考えている方はきっと多いことでしょう。そんな方には特にオススメです。
- ・健康にお酒を楽しみたい方
- ・仕事や友人などとお酒を飲む機会が多い方
- ・漠然と自分はお酒が強い、弱いと思っている方
- ・お酒を飲む機会が増える、学生や新社会人
- ・自分の耐性を知ったうえで、お酒と付き合いたい方
分からないまま、無理な飲酒を繰り返して、そのたびに体調が悪くなったり、依存症になったりしては手遅れになります。
「自分自身を深く知る」ために遺伝子検査があると言っても過言ではありません。
検査方法も難しくなく、価格も手頃にできるようになったのは、非常に嬉しいことです。
昔からの言われですが、お酒は百薬の長にもなり、毒にもなります。だからこそ「遺伝子検査」を通じて、お酒と上手に付き合う方法を知り、美味しく楽しみたいですね。